出版社さんとの情報交換
WEB戦略の中でどのようなツールを活用し、ユーザーとタッチポイントを増やしていくかを考えるツール戦略とは別で、どのような情報発信をしているかは重要な要素であると考えています。
デベロッパーが行うべき情報発信は、雑誌に近いんではないかと社内で話していると、WEB戦略を一緒に進めているM本ねーさんから衝撃の一言が、、、
※僕のVRを楽しむM本ねーさん
私の同級生が雑誌の副編集長やってるよ!
「まじかーーー!」ってことでお話を聞きに行ってきました。(11月中旬ぐらいの話)
お聞きしたのは20代前半がメイン購読者の女性誌について。
そもそもデベと雑誌の情報発信が近いと思った理由
・両方とも自ら売っていない物の情報を発信する。
デベ:テナントやテナントの商品
雑誌:ブランドやブランドの商品
・ブランドを跨いだ情報発信ができる。
・さらに雑誌は世界観をもった訴求ができているので、デベの情報発信よりも情報のクオリティが高い。
※デベにも編集という考え方や機能が必要なのではないか(仮説)
雑誌の編集体制
・10名体制:編集長1名+副編集長2名+編集7名※雑誌によって結構違う
企画決定の流れ
発売日の約2ヵ月半前から制作スタート!(同時に2、3ヵ月分の制作が動いている)
0日目:【アンケート会】にてターゲットから話を聞く
7日目:【企画会議】で編集が企画を持ち寄る
14日目:1冊分(20本ぐらい)の企画を決定する ※企画の選定は編集長と副編集長
14日目~:企画の担当を発表し具体的な制作に入っていく
⇒つまり発売日の約2ヵ月前には企画の内容がほぼ決定している。
【アンケート会について】
(概要)
・アンケートは毎月、ユーザーに来てもらって実施。
・毎回来てくれる人もいれば、違う人もいる。
・参加者は「読モ」「キャッチ」「巻末のアンケート」「参加者の友達」など
・毎回30~40人ぐらい集め、5人ぐらいのグループで聞いていく。
※仕事の流儀によるとVERYは複数で聞くのではなく1人の人からじっくりで聞くらしい。読者調査の方法は雑誌により異なる。
・集める年齢層は読者層に比べると広め。※30~40人を集めると意図せず広めになるが、その雑誌を好きという共通点はある。
(アンケート会で聞く事)
・昔は事前に質問を作っていたが、今は割とフリーで聞いている。
・発売日付近の興味あるファッションやヘアメイク。また優先順位が高い要素。
・イベント(バレンタインなど)の過ごし方。
・次に挑戦していきたいと思っているファッションなど。
・自分達が思っていることの答え合わせとなる質問。
⇒ユーザーのことを分かっているつもりになることが一番危険!
(先の情報の引き出し方)
・結構しつこく掘り下げて聞く。
・毎月やっているので、
→聞く側のスキルも上がっているので、聞くポイントが分かってくる。
→定点観測できるので気分が変わったタイミングが分かる。
・この子が言うことはすごく真ん中の意見だとか、意見の奥行きが見えてくる。
・去年の1月と今年の1月でも全然、ユーザーの気持ちが違う。
(雑誌のコアユーザーとライトユーザーだとどっちの声が参考になるのか?)
・雑誌のリアルすぎるユーザーだと、知っている情報が中心になり、あまり参考にならない。
・ちょっと早いぐらいの子の話の方が雑誌の企画にはちょうどいい。そういう子達は気分も世の中のトレンドよりも少し早い。
(アンケート会のキーマン)
・アンケート会を毎月やっていると雑誌の方向性を左右するぐらい影響力のある発言をする子が出てくる。
・その子が話していることと、展示会などで打ち出しているトレンドが一致する。
・その子の気分が変わった時にする発言は雑誌の一年の軸になる時もある。
・言葉にならない感覚をその子が言葉にしてくれたりする。
【企画会議】
(概要)
・アンケート会の情報を参考に編集が企画を持ち寄る。
・必ずしもアンケート会に沿った内容だけではない。
・タレントなどもページ以外は編集がライティングも兼ねる。
(編集の人材)
・働いているひとは中途もいるし、アシスタントから入っている人もいる。
・最低限の経験値は必要だが、重要なのはその人のパーソナルな部分。
・ファッションが好きで、アンテナを広く持っていることが重要。
⇒自分の好きもありつつも、広く情報を吸収し受け入れられる。
WEBも上手にやっていると思う雑誌は?
・ハイモード系の雑誌(ELLE、VOGUEなど)は、WEBでもしっかり広告が入っている。
・完全に紙の編集と別部隊でやっているらしい。
雑誌の収入源
・「雑誌収入」「広告収入」。特に「広告収入」が入らないと商売が成立しない。
⇒上記の収入も業界全体で厳しいので「コラボ商品(化粧品、健康食品など)」「WEBメディア」など新たな事業拡大も力を入れている。
表現方法の留意点
・情報が散漫になると、なかなか次のページをめくらなくなるので、ある程度の一貫性や流れは大事。いい気分でみていたのに、全然興味がない情報が次にくると気分がのらない。
成果の共有
・ただページを作っているだけでは、同じ目標に向かえない。
・編集の人にも成果(雑誌の売れ行き、好評だった企画など)を細かく伝える。
・好評だった企画などは巻末アンケートなどを数値化する。
・WEBはリアルタイムで成果を見られるので面白いと思っており、もっと強化したい。
アトレに置き換えた時の学び
・種はあくまでブランドやユーザーであり、雑誌の役割は編集。
⇒デベもそうではないかと思う。そう考えると種を常に収集できる仕組みが重要。
・なによりも消費者の声。(顧客の声を起点に企画を考える)
⇒継続的に聞き続けることが重要。
⇒欲しい物よりも気分の変化が重要。
⇒常にユーザーに寄り添っていることが重要。
(分かっているつもりになることが危険)
・世界観があることが事業拡大の可能性を広げる。
⇒世界観があれば、商品開発やWEB展開もメッセージがユーザーに伝わりやすい。
・情報の置き方やどの順番で伝えるかが重要。
⇒興味があることをいい流れで見れるとユーザーは気持ちよく情報を見れる。
・チームの一体感を生むために数値の共有は重要。
⇒企画や編集がただの作業になってしまう。
イメージ戦略を行うには、販促でなく編集という視点が重要。そして、その種はユーザー(デベでいうとテナントとお客様)であり、発信側の独りよがりにならないようにユーザーと接点を持つ仕組みづくりをする必要があると感じました。
出版社のKPIである発行部数やアンケート結果をSCに置き換えると、KPIは入館者数やPV数になるのだろうか?
次回は、ぜひアンケート会に参加させて頂こうと思っています!
インスタグラムのお勉強
実はアトレ恵比寿店の5階には当社の直営店が出店しています。
【Coutulife(クチューリフ)】
アトレがアパレルセレクトショップの運営に着手 恵比寿に1号店 | Fashionsnap.com
現在、Instagramはやっているものの、なかなか実務側の手が回らないということもあり、Coutulife(クチューリフ)のデジタル施策のサポートをさせてもらう事になりました!(本丸のデジタル施策はなかなか動きが重いため、実務の成果検証ができる貴重な機会!またショップ側のオムニチャネル戦略を経験しておけば、デベ側の向き合い方も新たな切り口が見えてくる気がします)
・CoutulifeのInstagram
よいタイミングでご縁を頂き、STYLERはスムーズに導入でき、これから本格的に運用開始。
とはいえ、受け皿側のボトムアップも当然必要となるので、まずは唯一の既存メディアのInstagramを活性化すべく、宣伝会議様のインスタグラムマーケティング基礎講座を受講してきました。(講座タイトルをあえてInstagramではなく、インスタグラムとしているのはSEO対策かな?と自然と考えるようになってきました 笑)
インスタグラムマーケティング基礎講座 | 教育講座を受ける | 宣伝会議オンライン
有料研修なので、あまり具体的な内容に言及するのはマズイと思いますので、講座内容に限らずネット記事や書籍などで勉強したことも含め、勉強の中で感じたことを中心に記載していこうと思います。※気になった方はぜひ次回の講座を受講されてみてください。
【個人的な気づき・感想】
・事前のインプット量と学びの量は比例する
講座に受講する以前から個人的に気になったり、中心されているインスタアカウントはフォローするようにしていました。それを事前に行っていたことで、講座内容とフォローしていたアカウントの内容が繋がり、講座で紹介された内容以上の学びがあったように感じます。
・統一感➕独自性⇒世界観
公式である以上、トーンを整えないと「これ公式?」ってなるので、複数名で運用する場合はその点の配慮が必須。しかし、統一感だけでは他のアカウントと同質化してしまうので独自性を生めるコンセプトがブランドの世界観を作るのだと思います。
個人的に気になっていたダイソーの公式は企業メッセージの【100円で世界に商品を届け、生活を支え、その国の文化を変える】を想起させる内容だと思います。
・コミュニケーションを取る人(キャンペーンに参加する人)は限定的でも、幅広い層への共感を取れるのはデジタルの圧倒的な強み
講座で紹介されたポカリスエットの「ポカ写」キャンペーンに投稿するのは女子高生が中心ではあるが、閲覧するのは必ずしも女子高生とは限らない。(むしろ閲覧者は男性の方が多いのではないか?)デベロッパーでもキャンペーンのターゲットはどうしても既存の購買者に寄せがちだが、デジタル戦略においては誰とコミュニケーションを取るのが一番価値が上がるのか、イメージ戦略に繋がるのかが重要で、既存顧客もそれを見て楽しめる導線を作っておけばキャンペーン効果の最大化に繋がる。
※そう考えると、各館でたまにやっている小学生の合唱なども参加者は小学生だが、ターゲットは親や祖父母なんだから、発表している写真を親がアプリなどで落とせるたり、LINE経由で親が祖父母にデジタルアルバムを送れるなどしたら、イベントの体験価値もあがるのではないかと思う。
参考:「エルメスのちいさな絵本」キャンペーン
https://www.wwdjapan.com/359300
・思想なき参加型キャンペーンは誰も参加しない
最近、巷で乱立している#(ハッシュタグ)キャンペーンだが、自分自身も参加しようかなと思った時に感じるのが、#キーワードだけではどう投稿すれば分からないし、分からない中で第三者の目に触れるのでスベるのを恐れ、参加に気後れする。その点では前述のポカ写キャンペーンは上手で、キャンペーンガールがお手本写真をあげる事で安心感を醸成している。そしてある程度の施策に勢いがつくと、上級者がひと工夫した写真をあげるので表現の幅は勝手に広がる。
・Instagramはファンの獲得が難しいメディアなので、中長期視点で取り組むことを分けた方がよい
SNSだと、繋がりやお客様との共創などの話が多く、まさにそれはその通りだと思います。が、知名度がまだ少ないブランドがそれをいきなりやるのは困難で、特にInstagramは他のSNSと比べてもいいコンテンツを作ってもなかなか新規の方の目に触れる機会が少ないという印象なので、フォロー数を拡大するフェーズとエンゲージメントを高めるフェーズは分けないと労力対効果を生むのは難しいという印象を感じた。
・タイアップ企画はブランドとの親和性が重要
これも最近、巷でよく流行っているインフルエンサー施策だが、だいたいフォロー数と価格が比例すると思うのだが、個人的にはフォロー数以上にインフルエンサーがUPしている写真がブランドやキャンペーンのイメージに沿うかが重要な気がします。そうでないと、前後の投稿相当のいいね数は獲得できるかもしれないが、そこからブランドへのファン化には繋がらない気がする。
・スマホ画面に最適なレイアウトが重要
特に他の写真を流用する時などは注意が必要!細かくて何て書いてあるか分からないと話にならない。(当社のHPや館内ポスターなどでもありがち)
・一番の失敗はチャレンジしないこと!
ハーゲンダッツ様の事例をお聴きしていて印象的だったのは、あれだけのブランドにも関わらずチャレンジをたくさんしていること。
「ハーゲンダッツ✖️恵方巻き」「イラスト動画」は失敗だったなどの話を淡々とされていて確立されたブランドの中で許されるチャレンジの幅を常に探っている印象を受けた。
・デジタルにおいての成果はグロスの数字だけでは計れない
SNSの中でもInstagramはファン拡大が非常に難しいメディアなので、グロスの成果だけを見ると優先順位が低くなる。そこについてはメディアの特性や利用シーンを想像することが重要で、前述のハーゲンダッツ様などは新商品の認知経路はInstagramが高いらしい。
インスタグラムをさらに楽しむためのハッシュタグの基本&おすすめタグ11選 | ミライFAN [ミライファン]
・やはり人起点の発信!
事例紹介でご登壇されていたパルさんは、ショップスタッフを起点とした情報発信を強化されており、店舗の規模から考えると驚異的なフォロアー数を獲得していました。
パルさんは、スタッフの中でも情報発信性が元々高いスタッフを会社として評価し、オフィシャルブロガーとして認定していたりします。(プレスの方も自ら個人アカウントを運用)
SNSが誕生した当初の炎上リスクを今だに恐れて当たり障り無い情報発信に留まっている会社は消費者に無視をされ続け、人を経由した血の通った情報だけにお客様が反応するのだと痛感しました。もちろんリスク管理は最重要な要素なので、リスクがあるからやらないではなく、リスク管理をするためのガイドラインや人の選定などやるための仕組みづくりが重要であると考えます。
【まとめ】
当社の直営店、Coutulife(クチューリフ)を検索すると以下のような予測検索が出てきます。
こう考えると、店舗の規模に関わらず、お客様は物をデジタルで見たり、ECで書いたいというニーズが高まっていることを痛感します。※ちなみにCoutulifeは現時点で公式HPもなく、ECも行っておりません。
まずはできる所からですが、色々な方のお力をお借りしながら、時代に合った発信を強化していきたいと思います!
はてぶ【ブログ開始10日】
ブログを開始して10日(11/29〜12/8)が立ちましたので、現状の動向を分析。
日別のアクセス推移
12/8に初日以来の100PVを達成。
良品計画さんの記事を夜中の1時ぐらいに上げた事もあり、朝方の初速が良かった。※詳細は「12/8の時間帯別アクセス推移」にて
その前の2つの記事も、日別のPV数はそれほど伸びていないが、記事自体のPV数は悪くない(というか良い)。前の2つの記事は土日に上げたので、閲覧の時間帯や日付が分散した。
また、記事に関連する方をFacebookでタグ付けさせて頂いた投稿はPV数が伸びるので、僕のFacebookのお友達以外が見て頂いていることが多いと推測される。※一応申し上げておきますが、PV数増を狙ってのタグ付けではございません 笑
12/8の時間帯別アクセス推移
記事を投稿した午前1時直後は閲覧数が伸びていない。1日の中で8時台、9時台が伸びるので、通勤時間中にFacebookを確認するという生活シーンが想定される。
お昼の12時台はあまり伸びないのでSNSのチェックよりも職場の方とのコミュニケーションが優先される。これはECなどと傾向が異なりそう。(仮説)
また14時のPVが上昇しているので昼食後の眠くなる時間に、眠気覚まし目的にSNSをチェックする生活シーンが想定される。(仮説)
流入経路
初日の傾向と大きく変わららずモバイル版のFacebookが8割。PC版のFacebook経由が減少しているが、そもそも全て足すと4%足らない。
【今の所の学び】:ビジネスでブログやSNSを活用する時のポイント
・新設のブログやSNSは、既存運用メディア経由の認知経路を作らないと認知してもらうのは難しい。既存のメディアが無いのであれば、ある程度の顧客を獲得するまでは広告出稿は必須。
・記事と関連度の高い方にブログやSNSを紹介してもらうと、親和性の高い良質な新規のユーザーを獲得しやすい。
・メディアの特性やユーザーの生活シーンを考え記事を投稿することが重要。(昼休みだからといってSNSをチェックするとは限らない、平日はある程度生活がパターン化されているので発信の戦略を立てやすいが休日を戦略的に捉えるのは至難の技 など)
はてぶ【良品計画さんとの勉強会】
先日、良品計画さんに勉強会を開催して頂きました。
この場をセッティング頂いたのは良品計画にてアドバイザーとして「MUJI passport」の立ち上げなどマーケティング活動全般を支援され、このたびプリズマティクスの代表に就任された濱野 幸介さん。※プリズマティクスHPより一部引用
我々の知見が足りなさすぎて、良品計画さんのデジタル戦略について聞ききれた感は全くありませんでしたが、自社を見つめ直す貴重な機会を頂きました。
※下記の内容はあくまで個人的な感想や主観を含んだ内容なのでご了承下さい。
冒頭に当社の現状や今後考えている方向性や悩みを共有させて頂きましたが、第一声で当社が直面する課題を見事に言い当てられてしまいました。
アトレは何か?
アトレは何であって、どうありたいか?
デベロッパーであるのは間違いないが、もっと根底にある『志』『ストーリー』『らしさ』が定義されている事が重要であり、定義されていない事(もしくは気づいていない?)が課題であるという事です。
無印良品のブランド力
お話をお伺いしていて、無印良品の強さの根幹は、ブランドが生み出された背景にあると感じました。
無印良品は1980年に西友のPBとして生まれました。「わけあって、安い」をキャッチフレーズとし、安くて良い品として開発された無印良品は、大量生産・大量消費時代のアンチテーゼだったと言います。
(濱野さん補足追加)
その理念に賛同した無印良品ファンが働いている会社が良品計画であり、今でもその理念は脈々と継承されているそうです。
元々の無印良品ファンが、メディアのTPOに合わせて自然と無印良品らしさを考えて情報発信するからこそ全ての情報に共通の理念を感じる。それを自然にできる事が無印良品の大きな強みであると感じます。
無印良品の商品
無印良品のECはほんの一部を除いて、ほぼ100%自社ECで販売されています。
そこには「よい商品+よい環境+よい情報」どのいう考え方があると言います。
例えばiPhoneはアップルでしか作れないかもしれないが、無印良品の商品は作ろうと思えば似たような物は他社でも作れる。しかし、無印良品の商品を買って頂けるのは、「よい商品が」「よい環境に置かれ」「よい情報を届けられる」と無印良品の世界観の中で商品に魔法がかかり、それに共感した人が買ってくれる。確かに無印良品の商品は生活の中でも無印良品のオーラを発しているような気がします。
(濱野さん補足追加)
mujiさんの情報って生活の中でもさりげなく目にして、さりげないけどきちんと印象には残っていると感じます。
長さんの↑のコメントに対してはこれ。
空の器であると。
「無印良品の商品の特徴は簡潔であることです。極めて合理的な生産工程から生まれる製品はとてもシンプルですが、これはスタイルとしてのミニマリズムではありません。それは空の器のようなもの。つまり単純であり空白であるからこそ、あらゆる人々の思いを受け入れられる究極の自在性がそこに生まれるのです。省資源、低価格、シンプル、アノニマス(匿名性)、自然志向など、いただく評価は様々ですが、いずれに偏ることなく、しかしそのすべてに向き合って無印良品は存在していたいと思います。」
無印良品のデジタル戦略
そのような根底の理念があるからこそ、無印良品さんは新しいデジタルツールにはどんどんチャレンジしていっている印象です。
①当社との戦略の違い
当社の戦略と無印良品さんの大きな違いを感じたのは、当社は顧客接点をピラミッド型(未利用者→利用者→ポイントカード入会者→クレジットカード入会者的な)で考えているが、無印良品さんはあまりツールごとの重みづけをしておらず(もちろんMUJI passportはその中でも重要な位置づけである事は間違いないですが)タッチポイントの多様化という戦略を取られている印象がありました。
確かに1人の人が多様なツールを使い分けている事を考えると、様々なツールを駆使して1人のお客様との接点を増やす事こそが重要とな感じました。
②分析の視点
やはり無印良品はリアル店舗が最大の強みであるので、お店が見たい分析の切り口を追求しているように感じました。
またツールごとの状況をきちんとファネルでみて発信した情報の効果をきちんと検証されています。
個人的に感じたのは、リーチ数よりもシェア数が重要であると感じました。例えば、Facebookの公式アカウントのいいね数が100だったとしても、100人の友達がいる人が情報をシェアしたら同じだけの効果になる。さらにそれは事業者からではなく友達からきた情報として届くため、さらに情報の価値が上がるなと感じました。そう考えると情報発信はただのインフォメーションではなく思わず友達と共有したくなるような情報をどれだけ届けられるかが重要であると感じました。
③徹底した顧客視点(人間の論理視点)
こちらについては僕が書くまでもなく、下記記事に詳細に掲載されています。
※というか、この記事を読めば僕が今まで書いたこともほぼほぼ網羅されているかもw
(濱野さん補足追加)
・デジタルマーケティング、をやっている感はないです。あくまで生活者がデジタルツールを使う時間が長くなっているので、それに寄り添ってる感覚です。
・ピラミッド、というより支持・熱狂度合いは意識しています。例えばアプリ利用者<いいね!、コメント記載者<店頭イベント参加者<共創参加者みたいな構図が成立することは認識しています。
・ブランドというより、mujiぽいかとか、こうありたいとか、お客様に対する約束、は意識していると思います。大切にしたい軸があってそれを愚直に積み重ねてきた感じです。まだまだなんでしょうけど。
当社として考えるべきこと
デジタル戦略の設計については、色々な方が成功のポイントやツールでできることを定義されているので、頑張って勉強していけば当社なりに取り組むレベル感や体制は見えてくるような気がします。
むしろ、戦略の差を生む上で重要なのは、情報の中身でありその根底にある理念であると感じます。※今更思ったの!?と言われてしまいそうですが。
今までは駅流動の中で自然とアトレに入って頂き世界観を感じて頂けていましたが、デジタルツールが生活の中に入り込んできている今、どれだけ消費者の生活の中でアトレとしてお客様に役立つ価値を届けられるかが成功の分かれ目の様な気がします。(デジタルに限らず)
良品計画さんには懇親会までお付き合い頂き、ここには書いていない事もたくさんご教授頂きました。
「アトレは何か?」に答えを出すと共に、当社の販促担当が懇親会で良品計画さんに「カンヌライオンズ」を目指すと宣言していたので、ぜひ頑張って頂きたいと思います。
LIVE DE X'MAS 2016から駅ビルが伝えるべきことを考える
ECの市場分析から始まり、正式にデジタル戦略のプロジェクトに参画し、はや4ヵ月ちょっと。最近、デジタルツールで何を伝えていくべきかを考える機会が多々あります。
そんななか、12月2日(金)に「LIVE DE X'MAS 2016」というライブに行ってきました。
「LIVE DE X'MAS 2016」とは、
各セレクトショップ・メーカーが主催する年に一度のX'MASライブイベントで、今年でなんと27回目を数えます。
【Timetable】
19:00 オープン
19:30 TOMORROWLAND
19:55 M'S
20:20 TTT’S
20:45 UNITED ARROWS
21:10 SHIPS
21:35 FREAK'S STORE
22:00 BEAMS
先日登壇させて頂いた分析システムベンダー「リゾーム」さん主催のユーザー交流会にいらっしゃっていたSHIPSさんにお声がけ頂きました。※お声がけ頂くまで、このようなイベントの存在すら知りませんでしたが、裏原全盛時代を過ごしてきた僕には胸が高鳴るイベント。
場所は「代官山THE ROOM」で21時過ぎSHIPSさんのステージから参加させて頂きました。
昨年、40周年を迎えたSHIPSさん。
「こんばんわ、SHIPSです!」というだけでめちゃくちゃカッコイイのは何故でしょう!※「こんばんわ、ア○レです!」と言ってもこうはならない。
40周年の歴史を想起させる安定感抜群のステージでした。
○FREAK'S STORE
続いて、今年で30周年を迎えたFREAK'S STOREさん。
安定感のSHIPSに対して、ブランドスローガンである「アメリカの豊かさ・ワクワク・ドキドキを伝えたい」を想起させるかなり勢いのあるステージ!※ボーカルのお姉さんがめちゃくちゃカッコイイ。
終盤には社長自らステージに!
これまで30年間よりも、この先の30年に期待してくれと言わんばかりのステージでした。
トリを務めるのは、今年で40周年を迎えたBEAMSさん。
女性ボーカル2人組のノリの良いナンバーが続きましたが、最後の曲がヤバかった!
ご存知の方も多いと思いますが、この曲はBEAMS40周年記念MVのBGMに使われている曲です!※動画を見ていない方は必見。
当然、FREAK'S同様、最後のステージでは社長が登場!
ステージ上で自らの40周年と共に「FREAK'S30周年おめでとう!」と讃えるメッセージは感動!
ライブはすごい盛り上がりのなか、幕を閉じました。
【ライブを終えて思う事1】
ステージを見ていて感じるのは、全員が自分たちのブランドが大好きで自然にブランドらしい表現を追求している。そしてユーザーも、そのブランドの服だけではなく歴史や文脈を価値を含めてそのブランドが好きであるということ。※セレクトショップはそれが分かりやすいだけでどの業種においても同じだと思います。
○BEAMS40周年記念の書籍
ビームスが40年間の東京のカルチャーを編集する。
※個人的には93年〜02年ぐらいまでのページがヤバい。
お互いのブランドの歴史と共に業界のあり方を語り合う極上の対談!
○BEAMSとUNITED ARROWS セレクトショップ40年の過去と未来
実はこんな歴史的背景があった事をSCの人はあまり知らない。
そういう意味で考えれば、駅ビルはもっとテナントの歴史や文脈を深く理解することが重要で、それが今までと違う側面でのお客様理解に繋がる気がする。またその文脈をふまえて情報発信する事でモノを超えた価値を提供できるのではないかと思う。
【ライブを終えて思う事2】
セレクトショップに歴史や文脈があるのと同様に、当社にも当社なりの面白い歴史や文脈があるが、それは社員にあまり伝わっていない。※そこには出向者が構造的に多く歴史や文脈が継承されづらいという問題もある。僕は幸いにも恵比寿店開業時の店長だった前社長の下で働いていたので、断片的にそれを聞く機会があった。
当社では情報発信の際に、手段や他社事例にこだわりすぎるが、ブランドが確立された会社は良い意味で深く考えず「その手段で自分たちのブランドらしさを表現するためには...」というシンプルな視点で表現方法を考えている気がする。
自分たちのブランドへの愛着が希薄であればあるほど、論理的な視点でしか意思決定されず、想いが乗ってない無味乾燥なコンテンツしか作れなくなるのではないかと思う。
テナント様の歴史・文脈の理解と共に自社の歴史・文脈の理解をする事で自ずと伝えていくべきことも見えてくるのではないかと思いました。
※機会があれば前社長と歴史について語り、ブログに掲載してみたい。
表がFREAK'S30周年、裏がBEAMS40周年になっているTシャツが素敵すぎる!
マードゥレクス戦略発表会
昨日はエクスボーテで有名なマードゥレクスさんの戦略発表会に!
基本的には、マーケティング支援会社様向けだったかと思いますが、当社も図々しく参加させて頂きました!
戦略発表会は、
・戦略テーマ
・現状と課題について
・新戦略と具体的施策について
・新広告キャラクター紹介
という象限で発表されました。
ご説明者は、4ヵ月前までガシーレンカージャパンで、プロアクティブを中心とするスキンケア商品のマーケティングを一手に担っていた藤原 尚也氏。(そう考えると、わずか4ヵ月でここまでの戦略を作り上げたことは驚愕)
戦略の中身については、かなり赤裸々な生データでご説明頂いたのでかなり勉強になった反面、どこまで記載してよいか判断できないので、戦略の中身以外での気づきを以下に記載します。
【戦略発表会での気づき】
○戦略発表会をクリスマスパーティーとセットにしたエンタテインメント性
戦略発表会の前段で、藤原さんがピコ太郎に扮して登場!
通常、戦略発表会は厳格な雰囲気の中、経営者が難しい顔をして来期の方針を発表会する事をイメージする。さらに見方によっては競合関係になり兼ねないマーケティング支援会社の方々が一同に集まっているので、ただでさえ堅い空気になり兼ねないにも関わらず、当日は全くそんな空気は感じなかった。
○支援会社を一同に集めての戦略発表会
通常、支援会社は自社が発注された領域の周辺情報しかクライアントの情報を知らないことも多いのではないかと思う。
しかし、このような場で全体戦略の文脈を共有することで支援会社が担当領域を超えた理解を図れ、施策の精度向上や新たな施策の提案などに繋がるのではないかと感じた。
○チームマードゥレクスとしての一体感
今回のイベントは、クリスマスパーティーと戦略発表会が明確に分かれていないため、ほとんどの方が最後まで参加されていたと思う。
恐らく、支援会社同士の交流もあったのではないかと推測され、たくさんの支援会社も含めて目標達成するんだという一体感を醸成していた。
○マードゥレクス社員の紹介
戦略発表会発表会前に藤原さんが、マードゥレクスのメンバーを担当業務含めて参加者に紹介。
前段で社員を紹介する事で、参加者とのコミュニケーションを取りやすい環境を作った。またメンバーにも担当領域を超えた意識を醸成し、モチベーションアップに繋がったのではないかと思う。
○商品の魅力をよりお客様に伝えるためのお土産
会の終わりには、参加者全員に主力商品のプレゼントが配られた。
実際に商品を使ってもらい、支援会社に良さを理解してもらう仕掛けづくりを感じた。
このような取り組みは、施策の細部の精度を上げることに必ず繋がると感じた。
戦略の中身もさる事ながら、他の部分も含めて実りある時間を経験させて頂きました!
ブログ開設の反響分析
Facebookに掲載した記事の転記&一部加筆しました!
【ブログ開設の反響】
●定量
開設初日のPVが110PV。
開設後に知ったのだが、はてなブログは日別のPVが閲覧できる。今回の更新でブログ本来の実力と川添さんによるPR効果の差分が検証できるはず。
(加筆)
翌日のPVが26PVで初回投稿による獲得PVはMIN136PV。ちなみに2回目の記事をあげた12/1は78PV。記事別のPVが計測できるかは、要調査。※自分の閲覧はカウントされない。
流入経路はほとんどがFacebook。やはり有力なメディアにリンクを貼るのは有効性が高いと実感。逆に言うとはてなブログに投稿しただけではどんないい記事を書いても最初のうちは閲覧数が取れない。※もちろん、はてなブログ内の機能を駆使すればはてなブログユーザーの閲覧増は見込めると思う。
意外なのはPCブラウザーのFacebook流入が17%もあること。モバイルでPCブラウザーを開いているのか、PCからのアクセスなのか気になる。またTwitterやGoogleの流入もわずか1%ではあるが非常に気になる。
●定性
・Sayoko先輩に「真面目か⁉️」と激励を受ける(そのため今回のブログは趣向を変えてみる)
・後輩の子に「ブログ見ました!が、なぜいきなりブログ?」と言ってもらい、のっぴきならない事情を説明する
・Facebookで繋がってる協力会社さんが僕のブログを当社の公式ブログと勘違いする
【ブログ開設による気づき】
・はてなブログはブログの機能が充実しており、使い込むと色々な見せ方ができそうだが、反面、最初から機能を使いこなそうとするとブログを更新するハードルが上がる(効果が高いと使えるは別)
・記事を投稿した人が、マイページ・記事のPVをリアルタイムで閲覧できるとモチベーションアップになるし、ブログを書く時以外にもページを開くきっかけになる(お客様同様、更新側にも更新以外の動機づけが必要)
・ブログを書くのって結構時間かかる(慣れればスキマ時間でぱぱっと書けるのかもしれないが、最初はそういうノリでは書けない)
・閲覧の導線をたくさん作れば、コンテンツに力がなくても露出は増える
ここら辺の気づきはショップさんのブログ更新を促進させたり、効果を高めるのに応用できそうなので、今後も気づいた事は書き溜めていきたい。
●気づきから考えた仮説
・もしかしたら、ブログを更新していないショップさんは、デベがやるべき論や意義、また書き慣れたショップの好事例を見せてお客様の目に入るからにはお客様に有益な記事を書かなければいけないと必要に言い過ぎている。そのため記事を書く事に慣れていないショップに「記事を書く事の恐怖心」や「ブログ=ハードルが高い取り組み」と感じさせてしまっているのではないかという仮説
・最初の記事の更新に1時間以上かかった場合、ブログ更新をシフトに組み込むなどの定期化ハードルはかなり上がる。食わず嫌いではなく、自分はチャレンジし頑張ろうとしたが出来なかったと納得してしまっているという仮説
・やっぱりPV数はデベが管理するのではなく、ショップさんが自分の管理画面でリアルタイムに成果が見れるべき。
・ブログを書き始めたショップの露出はいきなり増えないのでデベ側の支援が必要、またデベはショップの記事をネタに新たなネタを作ることが許されるので常にショップブログから発信ネタを探した方がよい。例えば3つのショップがそれぞれブーツの事を記事化したら、デベはそれを括って「この冬注目のブーツ三選❗️」みたいな記事をデベの公式ブログとして発信し、記事の中に掲載ショップへの導線を作る など。
これは共通商品(ランチ三選、お弁当三選など)だったら何にでも応用でき、デベ側の労力も編集だけなので、タイムリーで良質なコンテンツを効率的に生み出せる。