#ちょゆきアトレ辞めたってよ その⑥わずかに届かない壁
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インバウンド業界への転職活動
デジタル領域における今後のポジショニングなどを考え、インバウンド領域のビジネスを中心にオファーを行うことにしました。
改めて見ると、インバウンドと一重にいっても色々なビジネスがあることが分かりました。
訪日外国人向けのマーケティング事業を行っている会社をはじめ、地域ブランディング会社、旅行アプリ開発会社、民泊事業会社など、アウトバウンド領域まで視点を広げれば、さらにその領域は広がりました。(民泊事業などは宅建を持っていることが有利などの発見もありました)
事業会社のインバウンド採用は僕が見る限りは全くなかったため(募集があっても高い語学力が必須)、提案会社側を中心に応募してきました。
僕のやってきた「現状把握→戦略策定→トライアル実行→本施策推進」という基本原則に乗っ取って実行してきたインバウンド業務の経験は、ある一定の評価を受けつつも、最終面接でぎりぎり不採用ということが何度もありました。
主な理由は、「戦略の重要性は理解しつつも、現時点では事業者側からそのような案件は少なく、今はテクニカルなスキルを持っている人間を求めている」というものでした。
ある意味「インバウンド領域は戦略が弱い」という自分の見立ては間違っていませんでしたが、戦術を重ねながら知見を溜めているフェーズのインバウンド業界では戦術(広告など)の場数を多く経験していることの方が価値が高く、また語学が弱いということも大きなマイナス要素になったように思います。
現場への異動
そうこうしている中で、自分の環境にも大きな変化が訪れました。
2018年7月1日に戦略企画室から恵比寿店に異動することが決まりました。
商業デベロッパーとしてのキャリアパスを考えれば将来的な異動は想定していましたが、デジタル戦略やインバウンド戦略などこれから知見を溜めて戦略の精度を上げていくタイミングでの異動は全くの想定外でした。
現業務がこれからというタイミングだったことと、前述のインバウンド関連の転職活動で最終選考待ちが数社あったこともあり、気持ちが整理されないまま、恵比寿店に異動することとなりました。
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様々な方との対話を通じて、改めて自身のキャリアを棚卸しすることにしました。
強みは探してもらうものではなく伝えるもの
・「世の中が求めている能力」をふまえつつ
・「自分ができること」をアピールし
・「自分のやりたいこと」に繋げていく
視点を持ちながら自分がアピールしたいことを精査していきました。
過去の会社での経験は優先順位を下げ、直近で取り組んできたマーケティングや戦略立案を中心に据え、自分のアピールポイントを3つに絞りました。
◆JREカードデータを活用したマーケティング業務
・新規開発や大型改装など施策の仮説検証分析
・カード会員のLTV分析
・従業員向けマーケティング研修の立案・実施
※2016年2月:JR東日本グループ共通ポイントプロジェクトにて分析システムの構築に参画
◆デジタル戦略の企画・推進
・全社のデジタル戦略の企画
・自社のデジタルメディアの最適化調査及び改善業務
・自社クレジットカード入会獲得のデジタル広告運用
・各館のSNS導入支援・運用サポート
・オウンドメディアのリニューアル
◆インバウンド戦略の企画・推進
・全社のインバウンド戦略の企画
・SNSを中心とした訪日外国人の駅・駅ビルの利用動向調査
・ティザーサイトとFacebookの立ち上げ及び運用
・インフルエンサー及びメディアタイアップを中心とした施策の企画・推進
デジタル領域での経験不足を自覚しているなかで、アピールポイントを3つに絞るというのは非常に勇気がいる決断でしたが、伝えたいポイントを絞り込んだことは、のちに大きな成果を生むことになりました。
キャリアは掛け算で考え表現する
それまでは、経歴説明も網羅的に説明していましたが、キャリア整理後はアピールポイントの3つのみを説明する形に変更しました。
伝えたいことを絞り込み、その説明もできるだけシンプルにしていきました。(だいたい3分以内で説明を終えるイメージです)
それによる効果は如実に現れました。
最初の説明を3つに絞ったことで、最初の質問はお伝えした3つの内容にほぼ限定され会話にも軸が生まれました。
経歴説明の中でお伝えしなかった過去の経験は、会話のなかで3つのアピールポイントの付加価値をさらに高める材料へと変わりました。
「小売業経験」「営業経験」「デベロッパー経験」「デジタルマーケティング」・・・と網羅的に伝わっていた自分のキャリアは、
「小売業経験×デベロッパー経験×デジタルマーケティング」と重層的な経歴へと変化し、「リアルの現場を知っているデジタルマーケター」という専門性に昇華しました。
この経験から、自分の経験を誰でもできることと捉えるか、自分しか経験していない特別な専門性と捉えるかは自分次第で、平凡に見える経験も掛け算で考えて自分だけが語れるストーリーとして表現できれば、どんなキャリアもその人だけの特別な専門性になるのだということが分かりました。
改めてこれからのキャリアを考える
そういった会話の中で、自分が意識していなかったアピールポイントなども再発見し、
改めて今後のキャリアについても深く考えることができました。
思えばデジタル業界の方々との出会いの中で、ECと言えば〇〇さん、オムニチャネルと言えば△△さんなどだいたい「この領域=誰」みたいなイメージがありました。
自分はマーケティング領域でどのポジションを獲得していきたいのか。
そう考えていくなかで、自分が志向したのは「外国人向けのマーケティング」でした。
アトレでインバウンド戦略を構築していくなかで感じたことは、「国内のマーケティングは緻密にできているような会社でも外国人向けのマーケティングは意外に弱い」ということでした。
日本でターゲットごとに緻密なマーケティングができている企業でも、外国人向けとなった途端に、国別などターゲット設定が極端に粗くなったり、PDCAが意識されていない施策などが散見されているような気がしました。
東京オリンピックに向けて海外向けのマーケティングの需要は高まってくるだろうことが予想され、東京オリンピックまでの2年間、外国人に向けたデジタルマーケティングを徹底的に取り組むことで数年後に自分独自のポジショニングを築けるのではないだろうかと考えました。
また、日本は少子高齢化である反面、グローバルでは逆に人口は増加していているので、今後のキャリアを考えてもグローバル×デジタルという成長市場の中で経験を積むことが今後の大きなステップアップにつながるとも考えていました。
語学は全くできませんでしたが、アトレで取り組んできたインバウンド戦略には一定の手ごたえを感じていましたし、2020年東京オリンピックの開催や訪日外国人の増加などの流れからも、今であればそのような業界でキャリアを積みながら語学の勉強をしていくことも可能ではないかと考え、インバウンドや海外事業を中心に次のキャリアを考えていくことにしました。
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#ちょゆきアトレ辞めたってよ その③自分の価値観を考える - ちょゆき(仮)’s blog
Wantedlyでの転職活動を経て、自分の価値観を明確にしていったものの、自分がその会社に提供できるバリューについてはまだまだ言語化できていないことを痛感しました。
迷いは言葉に現れる
そのような観点で自分の職務経歴書を客観的に見るとアトレを含めて3社の経験が網羅的に書かれていていて何が売りなのかがよくわからない書類になっていました。
当時、僕はデジタル関連の業務経験がわずか3年しかなく、その3年間も専業ではなく、あくまで1つのプロジェクトとしてデジタルに関わっていたに過ぎなかったので、自分のデジタルへの経験値にいまいち自信が持てていませんでした。
その短いキャリアを「デジタル×〇〇」という掛け合わせで何とか補完しようと、無意識で自分のキャリアを網羅的に書いていたのだと思いますが、当然〇〇に明確な意図がない職務経歴書をそのように見る人はいません。
またどこが最大の売りが分からない職務経歴書は、おそらく面接官も何を聞けばよいか分からず、質問も散漫になってしまいます。どれもそれなりには答えるのですが、限られた時間の中で印象に残るような経験を伝えることがあまり出来ていなかったように思います。
散漫な職務経歴書は何もかもが中途半端に見え「自分は、何でもできるが、何もできない人間です」とアピールしているかのようでした。
今の時代に求められる人材とは?
この時期ぐらいから、リクルートエージェントでの活動も再開しようと思い、再度面談の日程を設定頂きました。
面談前にメールで、僕がご担当者にお願いしたオーダーは、
年収1,000万円以上の求人のみ出してほしい
です。
今考えるとだいぶ乱暴な問いだったなと思います。
この時は、会社に提供するバリューの対価として1番分かりやすいのが年収だと考え、今の自分の年齢で年収1,000万円の値段がつけられる人はどのような能力を持った人なのかを知りたくこの問いを投げかけさせて頂きました。
面談時には、現時点でご紹介できる年収1,000万円の求人は歩合制の営業職しかありませんとの事でした。
僕は「僕の年齢でどんな能力を持っている人が最も高い対価で契約されているのか?」を知りたいという意図をご説明させて頂きました。
その時にお伝え頂いたのは以下の2つでした。
① 経営層もしくは経営層に近い立場でのマネジメント経験
② その人の経験で生み出された独自の専門性
お金を求めて転職活動をスタートしたわけではありませんでしたが、一般的に世の中で価値とされる要素を聞けたのは大きなターニングポイントでした。
「自分がやりたいこと」「自分ができること」「世の中が求めている能力」の中で自分が何を見据えていくのかを改めて考え、職務経歴書をブラッシュアップしていきました。上記3つの要素を踏まえつつ、職務経歴書をブラッシュアップしていくことで、徐々に自分の方向性も整理されていきました。
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リクルートエージェントに登録したものの自分の価値観が定まっていないことを改めて痛感し活動方法の見直しを行いました。
目次
共感重視の転職活動
次に活用したのがこちら。
「Wantedly」はいわゆる企業と個人のマッチングアプリという感じのサービスです。
自分のプロフィールを登録しておくと、求人に対してエントリーが可能でき、企業側からオファーが来たりもします。
企業側の料金体系も無料トライアルから、月額3万円、5万円、9万円、50万円~と安価な金額からの利用が可能で、かつ成功報酬もないため、スタートアップ企業などが多く登録されている印象があります。
下記が企業採用者向けのページですが、採用者視点の情報も違う採用の違う切り口が見えてなかなか面白いなと思います。
「Wantedly」の最大の特徴は、企業と個人の共感を重要視したプラットフォームであるという事です。そのような位置づけから、ガイドラインでも給与や福利厚生の表記などを一切禁止にしています。
デジタル関連事業はホームページだけではわからない部分がありますし、雇用する側、される側、双方失敗したくないという心理は当然あると思うので、このようにまずはフラットに会話をしてから双方納得いった形で採用活動に移るというのは現代社会にマッチしていると思いますし、優秀なインターンを獲得するには最適なプラットフォームではないと個人的には思います。
「Wantedly」は、リクルートエージェントの求人票で目がいってしまった「給与」「福利厚生」の記載がそもそもないので、直感で自分が魅力を感じる要素で選ぶしかないので、フラットに自分が共感するサービスが見つかるのではないかと考え活動をスタートしました。
募集内容を見て驚くのは今の世の中は本当に様々なビジネスがあるという事です。Wantedlyは比較的デジタル関連事業の求人が多いのですが、デジタルによってこれだけ新しい市場が生み出されるのか、既存ビジネスもデジタルによってこんな再定義のされ方をされるのかと驚くばかりでした。ここでも改めてデジタルの可能性を再認識させられました。
まずは募集内容を確認し、気になる会社にメッセージを送ってみます。返信を頂いた企業と面談の日程を調整します。また遊びに来ませんか、まずは情報交換しませんかというトーンでオファーを頂くこともあるので、それらの企業にも可能な範囲でお話を聞かせて頂きました。
Wantedlyでの面談が面白いのは、通常の面接ですとまず志望動機を聞かれるのですが、Wantedlyはどちらがオファーしたかに関わらず、基本的に企業側のご担当者が会社説明やビジョン、会社の現在地から求める人材などを先に説明してくれます。その話を受けて、面接者のやりたい仕事や将来のビジョンをマッチするかを確認して頂き、面接の可否の確認をされます(場合によってはその時点で企業側からアンマッチとされることもありますが)。
当たり前の話ですが、そういったライトな面談とは言え、毎回やりたいことや将来の目標などは聞かれます。明確な夢や目標がある新進気鋭のスタートアップ企業のご担当者と会話を重ねていく中で、気持ちよく話せる場面と話せない場面が存在することに気がつきます。それを繰り返しながら自分が潜在的に大事に考えていることが何かを確認してきました。
自分にとって大切な価値観
いろんな方と会話をしていくなかで思い出したのは、2013年に読んだこの本です。
この本にあるストレングスファインダーは、人間が持つ34の資質のなかでその人がもつ上位5つの資質を判定してくれるというものです。
ストレングスファインダーで僕が持つ上位5つの資質は以下の通りでした。
1. 着想
2. 戦略性
3. 最上思考
4. 自己確信
5. 未来志向
僕が1番の資質となった「着想」には、以下の記載があります。
あなたは着想に魅力を感じます。では、着想とは何でしょうか? 着想とは、ほとんどの出来事を最もうまく説明できる考え方です。あなたは複雑に見える表面の下に、なぜ物事はそうなっているかを説明する、的確で簡潔な考え方を発見すると嬉しくなります。着想とは結びつきです。あなたのような考え方を持つ人は、いつも結びつきを探しています。見た目には共通点のない現象が、何となく繋がりがありそうだと、あなたは好奇心をかき立てられるのです。着想とは、皆がなかなか解決できずにいる日常的な問題に対して、新しい見方をすることです。あなたは誰でも知っている世の中の事柄を取り上げ、それをひっくり返すことに非常に喜びを感じます。それによって人々は、その事柄を、変わっているけれど意外な角度から眺めることができます。あなたはこのような着想すべてが大好きです。なぜなら、それらは深い意味があるからです。なぜなら、それらは目新しいからです。それらは明瞭であり、逆説的であり、奇抜だからです。これらすべての理由で、あなたは新しい着想が生まれるたびに、エネルギーが電流のように走ります。他の人たちはあなたのことを、創造的とか独創的とか、あるいは概念的とか、知的とさえ名付けるかもしれません。おそらく、どれもあてはまるかもしれません。どれもあてはまらないかもしれません。確実なのは、着想はあなたにとってスリルがあるということです。そしてほとんど毎日そうであれば、あなたは幸せなのです。
色々な会社の方とお話をさせて頂くなかで、自分がその企業のビジネスや会話の中で新たな着想を得られた時に活き活きと会話をしていることに気がつきました。そう考えると自分がデジタルビジネスに強い魅力を感じたことにも改めて納得感がありました。
価値観とバリューの違い
自分自身のやりたいことはまだ見えていないものの、自分が大事にしていきたい価値観が見えてき始めたときに、雇用支援の会社から面談のオファーを頂きました。
自分自身考えもしていなかった業界でしたが、その会社が従業員向けに雇用定着率を高めるために実施しているトレーニングに非常に興味を持ちました。それは、マインドフルネスや心理学の考え方を取り入れたトレーニングにより、仕事のやりがいを高めたり、将来の目標を持って仕事に取り組めるようにするというものでした。
どの会社でも働く従業員のモチベーションアップには大なり小なり課題を感じていると思っていたので、このトレーニングを応用することでそれ自体がひとつのビジネスに発展し、そのサービスが日本の社会を活性化させることに繋がるのではないか思い、管理職の方にもう少し詳しくお話を聞いてみたく次回の面接に依頼をしました。
後日、営業部長の方に面接をして頂きました。面接では自身が感じたビジネスへの可能性を目いっぱいお話しました。
面接の終盤でその営業部長が、入社した時の面接の話となりました。その方は前職でバリバリの営業をやっていたのですが、この会社のサービスの必要性がどんどん高まっていくだろうと感じて転職を決めたとのことでした。その方の面接時のお話から自分自身とのレベルの差を痛感されられることになりました。
その方は面接時に営業視点で事業計画に対する甘さなどがないかを見極めるために、ありとあらゆる数字目標を社長にヒアリングし、その質問に社長が全て答えられてかつ自分もその回答に納得いったから入社を決意したとのことでした。
僕はそのお話を聞いたときにその方は面談を通じて自分の能力を存分にアピールすると共にその事業に対する熱意を買われて採用されたのだと思いました。
その話を聞いたときに僕がした話は「着想」ではなく単なる「思いつき」にすぎないことに気づきました。20代であればそのような「思いつき」でも評価されるかもしれませんが、30代後半で転職するためには、自分がその会社に対する熱意と共に、会社に提供できるバリューを明確に示さないと通用しないという当たり前のことに今更ながら気づかされました。この時点では自分の価値観とバリューを混同してしまっていたので、今一度自分が提供できるバリューを見つめなおすことにしました。
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#ちょゆきアトレ辞めたってよ その①転職活動のきっかけ - ちょゆき(仮)’s blog
デジマの取り組みが踊り場にきた2018年2月から自分のキャリアを改めて考えるために転職活動をスタートしました。転職ありきで考えていたわけではありませんが、30代も後半に差し掛かり年齢とともに自分の選択肢も少なくなっていく中、アトレに残るにしても強い意思をもって残ると選択しないとアトレの中でのキャリアップも見込めないと考えていました。
キャリアを考える上での大きなポイントは2つだと考えました。
A:商業デベロッパーを軸にしたキャリアパス
B:デジタルを軸にしたキャリアパス
Aの場合はデジタルによる商環境の変化を逆にチャンスととらえ、新しく生み出される技術やサービスを活用しながら駅ビルの魅力をさらに高めていく。
それを実現していくことができれば、駅ビルという場の価値も自分の価値も上げていけるだろうと思いました。また自分のキャリアップとともにチャレンジできる幅の広がっていくだろうとも思いました。
一方でアトレは基本的にゼネラリスト型のキャリアパスなので、いずれデジタルに関わる業務から離れる可能性が考えられました(その後、実際に異動するのですが 笑)。
そしてJR東日本の事業規模から市場に大きなインパクトを持つ仕事ができる可能性がある反面、それが故にスピーディーに物事が動きづらく小さなことの実現も長期的な視点で物事を考えなければならない点は懸念でした(特にデジタル業域の場合は)。
Bに関しては、そもそも自分が取り組んできた仕事が市場でどの程度評価をされるのかが分からないので、それを知るべく、転職エージェント会社に登録しました。
登録したのはこちら。
言わずもがなの大手の「リクルートエージェント」です。今までエージェント経由での入社はありませんでしたが、過去2回の転職の際にも登録、面談をさせて頂きました。
個人的に転職エージェントがいいと思うポイントは3つあります。
① 自分の市場価値を客観的に把握することができる
② 転職活動のプロとの会話によりキャリアを考える視野が広がる
③ 勤務のしながらの面談調整が楽&面接のフィードバックをもらえる
再登録早々に連絡を頂き、面談の時間を頂きました。
アトレに転職してから8年経過しているので、転職に対して年齢的な懸念がありましたが、僕がアトレに転職した時期(2010年)に比べると3倍ほどの求人数があるそうで、エージェントの方もそれほど転職自体のハードルが高いわけではないとの話でした。
まだ方向性が定まっていないことも了承頂きつつ、とりあえず今考えられる希望を話しつつ10枚ほどの求人票を出して頂きました。
自分の方向性が定まっていないときに求人票をもらうとどうなるか。
僕は、一番先に「給与」と「福利厚生」に目がいってしまいました。
もしその2点を最重要視するのであればデジタルマーケティング業界を選ぶ理由もないわけで、そういった無意識な自分の反応に改めて自分自身の将来の目標やビジョンが定まっていないことを痛感しました。
求人票を頂いたものの、いったん応募は全て見送らせて頂き、自分の価値観を見直すための活動をまずスタートすることにしました。
次はWantedlyを活用した転職活動について書こうと思います。
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#ちょゆきアトレ辞めたってよ その①転職活動のきっかけ
といっても3カ月経つのでいまさら感がありますが、日々新しい情報がアップデートされて、古い記憶がなくなっていきそうなんで初心を忘れないためにもまとめておこうと思います。※そしてこのブログも寝かせすぎて2017年9月19日以来の更新。。
転職のご報告をするのにあたり、よく言われたのは以下の3点でした。
① なぜめっちゃ安定している会社から転職するのか?
② なぜ異業種、そしてサプライヤー側に転職するのか?
③ 恵比寿店に異動したから辞めるの?(もしくはデジタルに関わる部署じゃなくなったから?)
以上の問いをふまえつつ、時系列でまとめていきたいと思います。
2018年2月から転職活動を始めたきっかけですが、当時取り組んでいたデジタルの戦略で自分が思うようなアウトプットを出せなくなったのが活動の1歩目を踏み出すきっかけになりました。
デジタルマーケティングとの出会い
僕がデジタルの業務に関わり始めたのは2015年11月で最初のきっかけはアトレでのECの実装を検討せよというお題からでした。
結局ECの実装は見送られたものの、そこをきっかけにデジタルを活用した顧客コミュニケーション戦略という上段の戦略に話は昇華し、そこから駅ビルアトレがやるべきデジタル戦略の策定を進め、SNSの導入やHPの改修、インバウンド戦略の実施などに形を変えていきました。
当時、僕はマーケティング戦略室という部署に所属しており、マーケティングを軸とした館運営や開発業務を行えるための仕組みづくりを行うべく、ポイントカードの分析やマーケティング研修の策定・運用などをやっていました。
あと、このプロジェクトにも参画してました。
上記の業務と並行して、多かったのは新規プロジェクトの推進でした。
社長直轄部署ということもあり、実務部署に落とす前の勉強をする案件も多く、デジタル関連業務もそのような流れで取り組むことになりました。
しかし、社内に全く知見がないなかでの勉強は困難を極め、僕が行ったのはとにかく外に出て情報収集を重ねるという事でした。
とにかくセミナーに足を運び続けてご登壇者とFBで繋がり、タイムラインに流れてきた次回の登壇予定をチェックしセミナーを受け続けるということを繰り返しました。(当時はまた来たの!と言われることが成果だと思って参加してました)
合わせてやってきたのが、自分が気になる記事を自分なりのコメントを付け加えてシェアするという事。
これは、特にデジタル業界で登壇されている方がよくやっており、そのシェアをきっかけにコメント欄で議論が繰り広げられるという事を目の当たりにしたためです。
現時点でデジタルの実務を持っていない自分が知識をきちんと血肉に変えていう方法はこれしかなかったため、世に出ている記事に自分のコメントでデジタル上にアップすることは当時の自分からすると非常に勇気がいる行為でしたが、そのような取り組みを続けていきました。
並行して取り組んだのは、リアル店舗のテクノロジー活用を体験するという事。
デジタルを勉強していく中で確信をもって感じていたことは、
「アトレのデジタル活用はリアル店舗の価値を上げるために使われるべき」
オムニチャネル化が進むことで、消費者の買う場所の選択肢はどんどん増えていくことが想定されました。しかし、アトレが選択肢増による収入減をECで稼ぐという考え方はどうも腑に落ちませんでした。リアル店舗アトレがより使いやすく、より魅力的に、より身近であるためにデジタルは活用されるべきだと考えていて、今でもそうであると思っています!
そう考えることができるようになったのも同業界であるパルコさんの考え方に深く共感したことも大きな要因であると思います。
そんなことを続けていくことで、こんなイベントも開催することができました。
人が人を呼び半分ぐらいは初対面、かつ署名なイベントで登壇されているような面々がアトレ恵比寿店に集まっている。その場を作り出すきっかけを自分が作れたことに大きな喜びがありました。
そしてこのブログを始めるきっかけもこんな投稿から、、、
なんてことを繰り返しながら、自分の業務もどんどんデジタルを中心とした内容に変わっていき、SNSのテストマーケティング、LINE@の(泥臭い)獲得キャンペーン、ホームページの改修、ソーシャルリスニングを軸としたインバウンド戦略の策定などに取り組んできました。
しかし、社内でデジタルの案件が増えていくことに反比例して、どんどん業務推進の難易度も上がってきてスピード感をもってチャレンジを行うことや自分でパートナー会社を選んでいくことが難しくなっていきました。それは当然、会社の中でデジタルが重要視されてきたということなのでとてもよいことだと思います。それだけの評価を会社に頂けたことも有難いと思います。
ただ、脇目も振らずに走ってきたフェーズからこの時期に踊り場に突入したことが、改めて自分のキャリアについて考える大きなきっかけにもなったと思います。
明確にやりたいことが見えていたわけではありませんが、この時期(2018年2月ぐらい)から、アトレに残るという選択肢も含めて転職活動をスタートしました。
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地域マーケットにおける情報発信のあり方
昨日の上野店に続き、新浦安店の特設カウンター応援についてレポーティングしてみました。
【現在の進捗】
4月21日大井町店でのLINE@を皮切りに
・8月21日:上野店
・9月1日:亀戸店
・9月1日:新浦安店
と導入がスタートし、裏ではその他の店舗でも導入準備が進んでおります。
【地域マーケットとLINE@の親和性】
この度、新たに導入した亀戸店と新浦安店は大井町店同様、JRE POINTカードの買い上げ比率が50%を超え、食料品を主体とするマーケットです。
両店の進捗は以下の通り9月15日(金)までの進捗は以下の通り、
・亀戸店(2,484人:165人/日)
・新浦安店(7,691人:512人/人)
これは、入会のインセンティブとなる500円クーポンを亀戸店は先着2,000名、新浦安店はキャンペーン期間中全員対象としている事が大きく影響しています。このインセンティブの付け方の違いは各店に任せており、良し悪しというよりは方向性の違いと言えます。
先着制限:発生する販促費が読める
ベタ付け:発生する販促費が読めない
また、浦安市については、千葉県の市区町村で最も高齢化率が低く、折込チラシなどの紙販促からデジタルでの訴求へのシフトすることの効果が見込めるため、初期投資を多少かけてでも利用者との繋がりを強化しようという意図がありました。
そうであったとしても、9月9日時点で亀戸店お友達数が1,893人(210人/日)に対して、新浦安店が4,491人(499人/日)という数字は明らかに驚異的です。※ちなみに大井町店は開始9日間で2,906人(322人/日)
その真意を確認することも含め、9月16日(土)に特設カウンター応援に行ってまいりました。
【驚異的なお友達獲得のための戦略】
1.館内告知の量による刷り込み効果
アトレはとにかく館内ポスターが多いのですが、消費者目線で考えるとあまり目に止まらないのでないかという印象を受けますが、新浦安は違いました。恐らく館規模に対してポスターの数は他のアトレとそれほど変わらないと思うのですが、訴求している情報がかなり絞り込まれています。つまり館内を歩いていると同じ情報を何回も目にするので刷り込み効果が高いと言えます。
館内の至る所でポスター訴求
お客様が滞留する箇所にはスタンドポップを設置
館外の駅コンコースにも案内を設置
そして、トイレの個室にも設置(笑)
※でも、これ超重要だと思います!
2.戦略的な情報訴求
新浦安店最大のキラーコンテンツはWポイントです。デイリーでのご利用が多い新浦安店のお客様は常にWポイントの日程をチェックしています。その購買心理を利用して、新浦安ではWポイントを告知するポスターには必ず重要なお知らせをセットで告知するようにしているそうで、現在はLINEの情報をセットで訴求しています。
また、事前告知をするためにQRコードを後貼り仕様にしたり、
QRが下部に掲載されており読み取りづらい事と、あえて目を引くようにポスター外に追加での設置をして工夫を凝らしていました。
また、LINEのインセンティブキャンペーンでいつも課題としてつきまとうのが、クーポンをもらったらすぐブロッグしてしまうという問題ですが、その点についてもしっかりと手を打っており、毎月2回の抽選クーポン配信という登録後の継続的なメリットを伝える通年のポスターを掲載していました。
この告知については、ブロック防止につながる反面、定期的に経費が発生するので、館としてデジタルシフトしていくという覚悟を感じました。
3.テナントを巻き込んだ告知
館内での訴求や特設カウンター以上に入会促進に効果的なのは、ショップさんのオススメです。新浦安店ではその点の啓蒙がしっかりと行われていると感じました。
各ショップの店頭には必ずスタンドポップが設置され、
大型店には複数枚の告知物を配布
従業員休憩室、従業員トイレ、バックヤードにもとにかく徹底的に告知します。
これにより従業員自身も販促施策のメリットを享受できると共に、新浦安店の販促情報をLINEの配信からキャッチアップする事になるので、販促効果の相乗効果が見込めると考えられます。
戦略への覚悟と当たり前の事を徹底的にやっている事が、この驚異的なお友達登録数に繋がっている事を実感しました。
【特設カウンターでの気づき】
特設カウンターは全部で2箇所設置しました。
1.改札正面のメインエントランス脇
2.1階の食料品フロア直結の入口
1がいわゆるメインエントランスですが、地元のお客様や食料品目的のお客様は2を利用します。
3店舗目のカウンター対応なので、お客様動向を比較しながら行っていたのですが、新浦安のお客様はとにかく複数名の来店が多かったです。
そして、お客様同士の「LINEの友達登録だけで500円のお買い物券をもらえるんだよ!知らなかったの!?」みたいな会話から口コミ効果が高いマーケットであり、かつ、マーケット内の有益な情報をいち早く獲得している事がその人の価値を上げる事に繋がる事も分かりました。
そのような状況は、LINEのタイムラインのシェア数からも感じる事ができます。
なので、多少お時間がありそうなお客様に対しては、「今後も月2回程、抽選クーポンのご案内も配信させて頂くので、ぜひ引き続きご利用ください」とメリットをお伝えすることを意識しました。
また、1階食料品フロアに直結する入口でのカウンターは当初なかなかご登録に結びつきませんでした。この入口を利用する方は間違いなく新浦安店のヘビーユーザーの方のはずなのに、なぜご登録に繋がらないのだろうと疑問に思っていましたが、カウンターに立っているうちにその疑問が解明されます。
そのカウンターは館外に設置されているために、ここでお買い物券を引き換えられる事に気づいていない方が多数いらっしゃる事に気づきました。(引き換え対応をしていると、続々と並んでご登録をされる方がいらっしゃったため)
そこで、「LINEのお友だち登録で、“この場で”500円のお買い物券をお渡しさせて頂きます」とトークを変えるといきなり登録者数が増加しました。
【まとめ】
我々本社メンバーは、一日しかカウンター応援にお伺いできませんでしたが、その後のお店の頑張りもあり、現在は新浦安店が大井町店を抜いてアトレ全店でお友だち登録数1位となりました。マーケットのポテンシャルはある程度想定していたものの、ここまでの驚異的な数字は、現場の当事者も想像していませんでしたが、綿密に練られた戦略と今後マーケットをどうしていきたいかという覚悟や意思があれば、このような結果を叩き出せるのだと実感しました。
今後は獲得したお客様にどれだけ価値のある重要をタイムリーに訴求し、口コミ効果を最大化させるかが大きな焦点となってくると思います。
新浦安店はコミュニティー型マーケットでの新たなSC販促のモデルケースとなりうる可能性を強く感じましたので、今後も注目&バックアップしていきたいと思います!