ちょゆき(仮)’s blog

ショッピングセンターとデジマについて

ショップの人が知りたいことって?

 

先日、以前勤務していた大井町店での打合せ帰りに館内を一通り見ていたら、僕がいた当時からいたお店の店長やスタッフの方と何人かいてお話をさせてもらい、懐かしくなったので、当時の事を書いてみました。※大井町店を離れて3年半以上経って、未だに話ができるショップの人がいるのは嬉しい。

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まだ僕が大井町店に勤務していた当時、アトレでは全ショップを8つのカテゴリー(業種)に分けていました。※今はフロア制

・ファッションA

・ファッションB

・身の回り品

・生活雑貨

・スイーツ

・食料品

・サービス

・レストラン&カフェ

 

 

僕はその中で食料品と生活雑貨のカテゴリーマネージャー(業種ごとの営業担当)をしていました。

 

 

 

【カテゴリーミーティング(業種別の戦略会議)への疑問】

当社では、月に1回、15日前後にカテゴリーミーティングという同じ業種の店長が集まる会議を実施しています。(今は若干制度が変わってますが)

 

 

一般的なカテゴリーミーティングの流れは下記の通り

・連絡事項

・前月の売上共有&各店店長の概況報告

・当月の売上共有&各店店長の概況報告

・次月キャンペーンのヒアリング等

みたいな感じで実践してました。

 

 

入社してしばらくは、上記のやり方に習って会議を進行していましたが、徐々に違和感を感じ始めます。

 

 

〝この会議は本当にショップの人にとって有益なのか〟

 

 

この疑問は特に生活雑貨カテゴリーに対して感じました。

 

 

生活雑貨の店長は、事前準備もほぼ完璧で概況説明もしっかりしているし、僕からの質問への回答も的確でした。

 

 

ただ、

 

〝多くのショップが他ショップの概況にあまり興味がないように感じました〟

 

 

大型店や接客店が多い生活雑貨カテゴリーは、8つのカテゴリーの中でもマネジメントもある、レベルの高い店長が揃っているので参加している人の問題ではない。

 

 

その疑問はすぐに分かりました。

①自分の店に売っている商品じゃない

生活雑貨カテゴリーは、雑貨店、書籍、化粧品専門店、花屋など多種多様なショップが混在したカテゴリーだったので、売れ筋を聞いてもあまり活用できる要素がない。

 

②ほとんどが終わった話の共有

 終わった話の共有なので、僕以外からほとんど質問がこない。

 

③売れ筋共有の粒度が粗い

雑貨店に関しては、近い部門の商品を取り扱っているケースはあり、過去の話でも直近の話であれば十分参考になることはあると思います。

しかし、例えばメイク用品が好調だったというレベルの話では全く意味がなくて、その中でもアイウェアなのか基礎化粧品なのか、さらにその中でもどんな特徴がある商品が売れたのかまで聞けないと自店の戦略にはなかなか応用できません。(この点についてはファッションの方が単品アイテムで共有しやすいかも)

 

 

【多種多様なお店の共通課題とは】

原因は分かったものの、ショップ構成を組み替え直したり、会議時間を増やして解決する問題ではありません。

 

 

しかし、僕も過去にファッションショップの店長をやっていた身なので、カテゴリーミーティングをできる限り有益な場にするという個人的な使命感がありました。(ちなみに僕が、店長時代に経験したSCでは全体の店長会議はありましたが、業種毎の会議をやっていた事はありませんでした)

 

 

上記の〝③売れ筋共有の粒度が粗い〟については、日々のコミュニケーションで情報を回していった方が単品の売れ筋動向をタイムリーに提供できるので、そこは日々のコミュニケーションで補えると思いました。

 

 

カテゴリーミーティングは、未来の戦略を議論する場所であるべきと頭では分かっているものの、取り扱い商品がばらばらなショップ同士でここの店舗の販売戦略を共有し合うのも何かしっくりこない。

 

無駄とは言わないが、それを聞くために集まるほど店長はヒマじゃない(自分が店長をやっていた時にそれをやられていたら少なくともそう思う)。

 

 

各店店長がニーズとして意識をしていないが、潜在的に知りたいことは、困っていることは何か...

 

 

なかなか明確な答えを出せないまま、自分が前々職の店長時代に記録していたノートを振り返ってみます。

 

 

基本的には、自分が入ったお店の陳列やディスプレイの気になることが記録されてますが、親会社のスーパーや雑貨の店などで気になった事を記録している事に気がつきました。

 

 

そう言えば、食料品ショップが一番売りたい商品の下に赤い布を敷いただけで売上が上がったみたいな話を違う業種のショップに話した事も思い出しました。

 

 

〝売れているものではなく、売り方や人材育成などを共有すると、新しい発見があるのでは〟

 

と思い、カテゴリーミーティングのやり方を根本から見直す事にしました。

 

 

 

【戦略を共有する会議へ】

いきなり各ショップの売上を上げるための取り組みを議論してくださいと言っても話が活性化する訳もないので、やり方を色々と試行錯誤してみました。

 

 

■当日に議論するテーマを事前に打診

(テーマ例)

・売上向上の為に、自社・自店で取り組んでいる事

・2番手スタッフに求める能力、必要なスキル

・優秀なショップスタッフの条件 など

 

 

■当日の進め方

1.2つのグループに分ける

 

2.〔個人ワーク〕テーマに沿った内容を1項目1付箋に記入。※できる限り具体的な内容で記入。

 

3.1ショップずつ、取組み内容を1つずつ発表。発表したら、模造紙に付箋を貼っていく。発表者と自分が書いた付箋の内容が被った場合は、合わせて同箇所に付箋を貼っていく。

 

4.全て貼り終わったら、似たような傾向の塊にタイトルをつけ、グループ内で傾向や発見を情報交換。

 

5.グループの半分を入れ替えて、残った人が入れ替わってきた人へ模造紙の内容を説明。

 

6.5の逆を行う。

 

(7.会議後に書店の辛口店長にその日のフィードバックをもらう)

 

1〜6でまとめた内容は、パワポにまとめて議事録としてフィードバックしました。

※2番手に求める能力、スキルは大型店と接客店では求める要素が結構違って面白かったです。

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最初のうちは、言葉が重かった会議も回数を重ねる毎に活性化されていき、売り方について議論が交わされる会議になっていきました。これは会議だけではなく日々のショップさん同士のコミュニケーション向上にも寄与したのではないかと思っています。

 

 

会議の中身がベストだったかは、確かな確信が持てる訳ではありませんが、SCとして商売をする以上、お客様に見えない部分においても複合店のメリットを少しでも発揮できるように創意工夫を重ねることがデベロッパーに求められる役割のひとつであると、今でも強く感じます。

 

 

 

 

資格試験の勉強法

 

 転職活動をしていた時に悩ましかったこと。

 

 

それは、、、

 

〝履歴書に書く資格がない!〟

 

事でした。

 

 

転職サイトによっては、サイト指定の履歴書が用意されているもののあり、そういう仕様のものに限って資格記入欄がたくさん用意されていました。

しかし、僕は当時、そこに普通自動車免許しか書ける資格がありませんでした。

 

 

 仕事に全く関係ない資格をたくさん取るのが転職に有利かは分かりませんが、仕事であげた実績以外、対外的に自分を図るすべがないのは、、、思い、今の会社への入社を機に「宅建」「簿記」「SC経営士」を三種の神器と位置づけ取得を目指すことにしました。

宅地建物取引士 - Wikipedia

日商簿記検定 - Wikipedia

SC経営士試験 | 一般社団法人 日本ショッピングセンター協会

 

 

三種の神器のうち、「宅建」「日商簿記3級」は取得しました。

 

特に宅建取得の時に実践した勉強法は、別の資格試験学習の役に立ったのでまとめてみました。※宅建の合格率は15%で、それまで資格試験を受講したことがなかった僕には異次元の領域の資格でした。

宅建試験の学習フローで簿記、FP、CSR検定などを取得※学習期間は試験の難易度によって異なる)

 

 「宅建」は2回目の受験で合格したので、1回目の失敗例も含めてまとめてます。

 

 

 

平成23年宅建試験:失敗例】

■結果:50問中21点 (合格点36点)※4択マークシートなので山勘でも12、13点取れるので21点というのはかなりヒドイ点数...

 

 

■勉強方法

学習期間:3ヶ月

①会社補助のTAC通信講座を申し込み。

②テキストを開きながら、TACのDVDを受講。

③一単元終了毎に、付属の過去問セレクトを解く。

④間違った箇所を中心に、テキストで復習。

 

②→③→④を繰り返しながら学習を進める。

 

 

■反省点

・全体のボリュームを把握する前に、細かい部分に取り組んでしまった。(完璧に覚えるまで次の単元に進めなかった)

・申し込んだ通信講座がDVD付きで学習場所が限定された(使い分ける応用力もない)

・実践経験(過去問)不足

 

 

勉強方法が全く分からなかったので、テキストの内容を頭から100%覚えようとする戦略により、学習範囲すら終わらず撃沈。(さらに会社の通信教育は課題を修了しないと補助金が出ないため、試験後も宅建の勉強をする羽目に...)

 

 

 

平成24年度 宅建試験:成功例】

■結果:50問中34点 (合格点33点)

平成23年度の試験不合格後に、宅建学習の権威である宮嵜晋矢先生の存在を知る。

 

宮嵜先生が提唱する「徹底した過去問分析、データ分析に基づいた、短期間で効率的に合格するための戦略・戦術」により、宅建試験はどんな問題が出題されても確実に7割の正解率を狙っていく勉強法だと理解する。※ここまで宮嵜先生押しですが、学習は独学で行いました。

 

そして、完璧を求めず合格に必要な点数を確実に狙っていく〝弱者の戦略〟を実践。

 

 

■学習ツール

・らくらく宅建塾(テキスト)

www.amazon.co.jp

宅建みやざき塾動画(最重要ツール)

takkenmiyazakijyuku.com

・ゴロあわせ動画(覚えづらい用途地域&用途制限のみ

 用途地域

 宅建 用途地域 8分類 - YouTube

 用途制限

 用途規制 宅建 語呂合わせ - YouTube

・過去問(「宅建 過去問」でググればだいたい出てくる)

 宅建 過去問 | 無料 宅建 | 宅地建物取引士の解説つき過去問題なら『過去問.com』

 ※統計については、上記サイトに24年仕様に問題を置き換えた物があったのでそれを使用。

宅建過去問アプリ(過去問をベースに1問1答があるものをチョイス)

 

 

■事前準備&学習のポイント

・覚える事が目的ではなく、試験に合格する為の勉強法(70%正解)を意識。

→出題頻度が高い所を優先的に覚える。低い所は、後回し&切る。

・試験日までの概算スケジュール表を作成

→スケジュール表の目的は、試験日までの残期間を意識した学習の進捗管理。なのであまり予定通りにやることにこだわり過ぎず活用。

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・テキストは1冊に絞る。

→何種類ものテキストを併用すると網羅的に学習できる反面、効率が悪い。記憶力に自信がない、時間がないなどの場合は、一冊を完璧に覚える方が合格に近づく。500ページ前後の物がおススメ。

※推奨テキスト:佐藤 孝 らくらく宅建塾、日建学院 宅建基本テキスト

 

 

■勉強方法

学習期間:3ヶ月

※3ヶ月間で勉強しなかった日は1日だけ

 

①90日前~75日前:参考書通読

⇒テキストを最初から最後まで通読。(学習範囲のボリューム把握をメインとし、理解してなくても読み飛ばす)

 

②74日前~60日前:過去問セレクト学習

⇒単元毎に過去問を学習するも、学習効率が上がらない為、起動修正。

 

③59日前~31日前:宮嵜先生のユーチューブ学習+宅建過去問アプリ

・宮嵜先生のユーチューブで単元毎に再学習
⇒単元毎に一枚の板書で学習できるので非常に効率的!暗記のポイントも整理できる。映像を見ながら、A4用紙に板書を書き写す学習を開始。

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iPhone宅建過去問アプリを活用
→知識の定着を図るため、隙間時間に1問1答問題を回答。問題の正解率が記録確認できるアプリを選び試験直近まで活用。

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④30日前~11日前:過去問10年分を学習+間違えた箇所は、参考書&ユーチューブで復習

(過去問を解く際のポイント!)
・宮嵜先生の動画に出てくる表や図を描きながら問題を解く。

→図で覚えると抜けた時でも思い出しやすくなる!

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・必ず、1日1年分の過去問を実施する事を自分に課し、20日間で10年分を2回実施。
・直近の24年の過去問を解き、プロの講師の解説を聞く(解き方のイメージが湧く)

www.youtube.com
・間違えた所は、傾向をまとめて復習。
→過去問の結果を、エクセルシートに項目毎の点数と間違えた単元をまとめ、基本は、参考書で再学習し、失点の頻度が高い項目については、宮嵜先生のユーチューブで再学習。

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⑤10日前~前日:失点問題の再学習+重要箇所のゴロ合わせ

→残り10日は、10年分の過去問の2回目を解いた時に間違えた箇所だけでオリジナルの問題をつくり、50問解く。
→テキストやyoutubeを利用し、重要事項説明や用途制限、統計のゴロ暗記を実施。

 

 

■当日の回答順

統計問題→宅建業法→法令上の制限→税その他→民法

⇒暗記問題から頭を使う問題の流れ。民法を解くまでにどれだけ時間を残しておけるかが鍵

 

 

■その他の準備(あくまで個人的な意見)

・気持ちを切り替える準備

→連日勉強が続くとモチベーションが低下してくる。リラックスできる曲やモチベーションを上げる曲 (この曲を聞いたら勉強を始めるサインなど)を数曲準備しておく 等。

・メリハリをつけた勉強(中途半端に勉強すると一番きつい。)

→連日勉強が続くと、睡眠時間の減少や集中力の低下をまねく事がある。 例えば、通勤電車1時間の内、30分は座れるのでその時間は、あえて勉強の事は考えずに寝る 等。

・同じ受験生の仲間を作る。

→周りに受講者がいない時は、Facebookのコミュニティや、宅建講師のメルマガなど、だまっていても宅建の情報が入る環境を整備する。

・周りへのアピール

→周りに試験勉強をしている事を過度にアピールし、自分のペースで仕事をする環境作りと自分へのプレッシャーを与える。 「絶対に今年の宅建試験に合格する!」と周りに宣言し協力を仰ぐ 等。

・勉強環境の整備

→集中力が切れてきたら、勉強場所を変える。(予め勉強場所は選定しておく。)僕の場合は、直近の休日に5,6時間勉強していたので、2時間毎に勉強場所を変えていた。

→ お付き合いの飲み会は勇気を持って断る。(断りきれないものは一次会のみ)

 

 

■合格のためのポイント

・過去問をやり倒す(オリジナル問題よりも出題傾向が掴める)

・スケジュール管理

・モチベーション管理

成長とは与えられる物ではなく、勝ち取る物

 

今の会社に入ってから『教育』というものに非常に縁があります。

 

 

現場にいた時には、教育担当(教育担当と言う名称がおこがましくて好きではありませんが)として、ショップ向け研修の立案と実行を担当。

 

そして、本社に来てからは、新卒1年目社員と営業担当向けのマーケティング研修の講師を担当しています。

ただ、今の部署は僕の異動のタイミングで新設されたので、そもそもそんな研修は実施されていなかったのですが、当時の上長が非常に人材育成に熱い方だったので、人材育成プログラムから研修内容まで0から作成しました。

そして、社長交代で全社の育成プログラムが変更された際などは、それに沿った内容に調整を重ねてきました。

 

 

つい先日も新卒1年目社員(13名)向けにマーケティング研修を実施しました。

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彼等、彼女等は、4月から1年間、テナント企業への出向が決まっています。

そのため、研修は『小売業の社員としての視点だけではなく、デベロッパー社員としての視点も持ちながら小売の事を学んできてもらうために、アトレがどのようなマーケティングを行なっているかを知る(特にショップサポートの部分)』と言うテーマで実施しました。

 

そうすると、3人ぐらいから研修の休憩中や研修後に質問を頂き、2人ぐらいから後日個別に質問をもらいます。

 

3年間、新卒1年目研修の講師をしていますが、この比率はどの研修においてもおおよそ変わりません。

 

 

僕の新卒1年目研修のコンセプトは「2、3年後に求められる知識やスキルを先に突っ込む」を意識してカリキュラムを作成しています。(今すぐに使えるスキルならわざわざ研修でやる必要がないので)

 

ただ、それは受講者当人たちに伝えている訳ではないので、だいたい研修を聞いて「明確な目標が描けた人」や「今の自分の業務と重ねて危機感を感じた人」が個別に問い合わせをしてきます。

 

そう言った人達には、当人達の質問や不安に合わせたアドバイスをしますが、そう言った事を繰り返していくと、改めて『成長とは与えられる物ではなく、勝ち取る物』と実感します。

 

研修は、不特定多数に対して実施する物なので、研修の場ではあくまでも一般論や自分が見聞きした経験しか伝えられません。

しかし、そのような行動を取れる人達は、研修を聞きながら今の実務と重ねたり、自分の将来のあり方を思い描きながら、研修を自分事化しながら消化している気がします。

自分事として捉えた上での質問だから僕もその人達に合わせた回答ができる。そして、その時に頂く質問が意外に物事の本質を捉えた質問や悩みだったりします。

 

そう言った質問や悩みに応えていくなかで、僕は講師でありながら、受講者の方々に成長させてもらっている事を実感します。

 

 

僕は企業が成長するためには、前年踏襲型ではない内製研修は非常に有効だと思います。

講師側は研修カリキュラムを製作する過程で自分の仕事の棚卸しや仕事の本質を見つめ直すことができます。

そして、受講者側は自社の上司や先輩の実務経験を踏まえた内容を吸収でき、自分事化できた受講者はさらにそこから強み・弱みを深堀りできる。

そういった事に講師が応えていくことで、講師側にも新たな気付きが生まれる。

 

もっと社員同士で相乗的に成長していく仕組みや文化をきちんと作っていきたいと思いますし、そういうことをしていかないとこれからは生き残っていけないだろうと強く感じます。

これからの働き方

前回のブログで西野さんの講演内容に全く触れなかったので、まとめました。

イベントのキーワードが《常識だとされている働き方》に疑問をもち、新しい働き方を実現するなので、新しい働き方というテーマで3つのお話をされました。

 

 

 

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1.なぜ、芸人が絵本を書いているのか

 

【全てが追い風だったにも関わらず、スターになれなかった事に絶望】

20歳の時にスタートした『はねるのトびら』は、フジテレビが『夢で逢えたら』や『とぶぐすり(後にめちゃイケ)』を例に出し、「お笑い界のビックスターは8年ごとに誕生する」という〝お笑い8年周期説〟に則ってスタートした番組。

はねるのトびら - Wikipedia

 

そのような番組でセンターをもらい、番組は25歳の時にゴールデンに進出。

すべての条件が整ったにも関わらず、自分を取り巻く芸能界の縮図は驚くほど変わらなかった(番組が視聴率20%を超えても、上にはダウンタウンタモリなどの大御所が変わらず君臨していた)。スターになれなかった。

 

 

【スターを目指すために、一番便利な部分を切り落とす事を決断】

今のやり方ではスターになれない事(突き抜けない)に気付き、一番便利な「レギュラー番組以外のテレビの仕事を全部やめる」という決断をした。

 

便利な部分を切り落とすことで、新たな部分が進化し局面が変わるのではないかと期待し、何かを探していたところ、タモリさんから不意に「絵本を描け!」と言われた。

 

絵本をなんか全く興味がなかったが、タモリさんと飲みながら「絵本の悪口」が始まった。

 

「子供の頃に読んでいた絵本ってなんであんなに面白くないのか?」

 

ただ、飲みながら思ったのは、

「面白い絵本がないのではなく、大人が子供をナメていて、大人が考える『子供向けの絵本』しか子供に与えていないのではないか」

 

自分の子供の時を振り返っても、子供は大人が考えるほど、頭が悪くない。

世の中が考える『子供向けの絵本』という常識をぶっ潰すために、今の自分が読んで本気で面白いと思う絵本を描くことを決めた。

 

 

【素人の絵本作家がプロの絵本作家に勝つためには】

目標は、『いま存在する世界中のプロの絵本作家に勝つこと』

素人がプロに勝つためにはどうすればよいかと考えた。「画力」「出版のネットワーク」「コネ」。。。当たり前であるが、要素を並べてみると、素人はプロと比べると負けている所ばかりだった。

 

ただ、唯一勝っていた所は『時間』だった。

『時間』とは、一つの絵本の制作にかけられる時間の事。

 

絵本専業で食べている人は、コンスタントに絵本を出版しなければならない。

しかし、自分のような副業作家は極端な話、10年かけて一つの作品を作っても良い。

唯一、プロに勝てる『時間』という要素を最大限活用するために、時間をかけないと作れない作品を作ろうと考えた。

 

そして、最初に出した作品は6年かけたが3万部しか売れなかった。通常、絵本は5千部~1万部売れればヒットとされるので3万部もよく売れているのだが、圧倒的な差は生まれなかった。

 

どうすれば結果を出す事ができるかを突き詰めた結果、『お客さんに絵本を届けるまでを作品づくりと定義した』。

それまでは一生懸命時間をかけて作った絵本の販売を吉本興業と版元の幻冬舎にお任せしていた。しかし、作品を作るだけ作って届ける作業を他人任せにして、売れない事を環境のせいにするのは育児放棄と同じだと考え、作品をつくるということはお客様に絵本を届ける所までだと自分で定義し、お金や流通などを勉強した。

 

それからは売ることを必死で考えた。

まず、買うという事を分解し、「買う・買わない」を分けていった。

世の中の人が必ず買うものは、米、水、トイレットペーパーなどの生活必需品、要は必要なモノは買うし、必要ないモノは買わない。

作品を必要なモノに仕立てていくために、作品を「お土産化」すればよいと考えた。

 

さらに作品をお土産にするために必要なことは「体験」だと考えた。

「体験」を作り上げるために、自宅にあった原画を無料で貸し出し、その条件としてその場で絵本を売らせてもらう事をお願いした。

この原画展では絵本が本当に売れる。つまり原画展という体験のお土産として絵本が買われていくという事。

 

これにより、原画展を続けることで絵本が売れ続けることは確定した。

 

あとは、いかに短い期間で絵本を100万部売るか。

そのために、今までのノウハウを3作目の「えんとつ町のプペル」に全て注ぎ込んだ。

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現在、「えんとつ町のプペル」は27万部売れているが、これはまぐれでもたまたまでもなく、どのタイミングで何をするかという売り方の戦略を入念に考え、売りにいく事を考えた。

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2.「えんとつ町のプペル」の作り方と届け方

 

えんとつ町のプペルの作り方】

過去の2作品と「えんとつ町のプペル」が大きく違う所は、分業制で作品を作った事。

きっかけは『そもそも、絵本はなぜ1人で作っているのだろうか?』という疑問。

例えば、テレビ番組を見ても、照明、美術、カメラなどそれぞれの役割が分業になって作品が作られる。その他、会社でもなんでも、世の中のほとんどのモノが分業制で作られているにも関わらず絵本は1人で作られていることになっている(あっても原作と作画を分けている程度)。

絵だって、建物を書くのが得意な人、森を書くのが得意な人、キャラクターのが得意な人などそれぞれ得意分野があるはず、それぞれの得意分野を分業し作品を作ったらすごい作品ができるのではないかと考えた。

 

が、、、

こんな誰だって思いつきそうな事が実現されていないのはなぜだと考えた。

突き詰めていくと、絵本は販売部数が少なく市場も小さいことから、分業性のようなコストのかかる手法が取れない事が分かってきた。

 

絵本を1人で作るしかない理由は『制作にお金をかけられない』からである事が分かった。

逆にお金さえ用意できれば、分業制という選択肢が取れる事が分かったので、クラウドファウンディングでお金を集める事にした。そして、クラウドソーシングでスタッフを集めた。

 

えんとつ町のプペル」に関しては、2回クラウドファウンディングをやり、1回目は「えんとつ町のプペルを作る」ために実施し、2回目は「えんとつ町のプペルを届ける」ために「えんとつ町のプペル展」という物をすごくお金をかけて作った。

lineblog.me

 

つまり「えんとつ町のプペル」に関してはクラウドファウンディングを「制作費を集めるクラウドファウンディング」「広告費を集めるクラウドファウンディング」と2回実施しており、延べ1万人の方に支援して頂き、5,600万円を集めた。これによって、あのような作品が生まれた。

 

えんとつ町のプペル」を作るために、一番最初にやった事は資金調達。まずお金を集めていなければあのような作品は生まれていなかった。10年前の絵本作家ではこのような手法で作品を作ることは物理的に不可能だったので、今までにない作品を作ることができた。

 

 

えんとつ町のプペルの届け方】

えんとつ町のプペル」は4年半かけて、35名のスタッフで作った。※作り方の話も細かい仕掛けを用意しているのだが、講演時間が残り少ないので、どこかのタイミングでブログに書きますとの事←楽しみ

 

届け方について、過去の作品で実施した個展で売るという手法(お土産化戦略)が1つ考えられた。

さらに新しい手法として「クラウドファウンディング」を活用した。

 

そもそも「クラウドファウンディング」がすごく誤解されている。

クラウドファウンディング」というのは「寄付型」と「購入型」の大きく2種類ある。

世の中の99.9%のクラウドファウンディングは「購入型」となる。例えば、3,000円払うと何かがもらえるなど明確な見返りがある。

えんとつ町のプペル」の場合だと3,000円支援してくれると、「えんとつ町のプペル」の完成品にサインを入れてお送りするというモノ。

 

「西野がクラウドファウンディングで5,600万円集めた」という事実だけが一人歩きし、TVのコメンテーターなどが「西野は集めた5,600万円を何に使うのか」という議論がよくなされている。

そこにそもそもの誤解がある。

購入型の「クラウドファウンディング」というものは支援金の見返りにリターンを提供するかも手法なので、3,000円支援してもらっても、リターンで絵本の完成品を送る(2,000円+送料、雑費)と言っているので、使えるお金は数百円しかない。もっというと、3,000円支援してもらってもリターンに3,200円かかってしまったら、200円の持ち出しとなる。

つまり、5,600万円集めても5,600万円を使えるわけではなく、その集めた額面には何の価値もない。

 

では、「クラウドファウンディング」ではどこの数字を見なければいけないのか?

それは『クラウドファンディングの支援者数』

えんとつ町のプペル」で言えば1万人という支援者数が大事。

 

例えば「えんとつ町のプペル」を2人で作れば、最低2冊は売れる。10万人で作れば10万冊売れる。

今までは『作り手』と『お客さん』が分かれていたが、これからの時代は『お客さんを作り手にすること』が重要。なぜなら作り手は必ずお客さんになるから。もう世の中に純粋なお客さんはいない。個人の発信力が強まったので、商品の批評も個人が発信できる。そう考えると国民が全員クリエイターという考え方になる。

 

一度は吉本興業から制作費を全額負担すると申し出があったが断った。そうすると作り手が限定されるから。つまり作品を売るために「クラウドファウンディングを共犯者づくりとして活用」した。1万人でつくったから、予約の段階で1万部売れた。そして、自分たちが作った「えんとつ町のプペル」だから、個人がSNSで発信をして口コミが広がった。

 

スマホが出てきたことで、これからのエンタメは全てこうなると思う。

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3.ウォルト・ディズニーの倒し方

 

えんとつ町のプペル」という作品を作った時点で、理論上ウォルト・ディズニーに勝てた。

 

 

空海クラウドファウンディングの先駆者】

ディズニーがやっている事は、『こんなすごいモノを創りました、皆さん味わってください!』という手法。

ディズニーを倒そうとするのだったら、『ディズニーよりもすごいテーマパークを創る』のではなく『ディズニーランドを作ろう!』というネタの方がよい。なぜなら、創る事に関わった人が絶対にくるから。

 

それは過去に空海がやっていた。

空海高野山を開こうとした時に、初めは国がお金を出すと言ったのに、空海はそれを断った。国のお金で箱を作った所で、お客さんが来なければ意味がない。

創る段階で集客したいから、国のお金を断って、お客さん1人、1人に手紙を出して、ちょっとずつ、ちょっとずつ支援をしてもらった。

 

つまり空海は『クラウドファウンディング』を行った。

 

そして支援した人は、僕たち私たちが協力した高野山だからといって、支援した全員が高野山に足を運んだ。その結果、高野山がすごく盛り上がった。

 

 

【これからの幸福はクオリティではなく伸び率】

これからディズニーを倒そうと思ったら、空海がやった方法だと思い『ディズニーランドをみんなで創ろう』と考えた。

『ディズニーランドをみんなで創ろう』というテーマは、出来る前に集客したいということ以外にもう一つ理由がある。

それは人間の幸福度は、『クオリティ』ではなく『伸び率』だと思っている。たとえば、いつもテストで95点を取っている人が96点を取ってもそれほど幸せではないけれど、いつもテストで0点の人が50点を取った時の方が飛び上がって喜ぶと思う。どちらが幸せかと問われれば、実は50点を取った人の方が幸福度は高いかもしれない。

 

そういう意味ではディズニーは、そもそものクオリティが高いので伸び率がない。それは今の日本に近いかもしれない。どこにでもコンビニあり便利だし、戦争もテロもなく治安はよい、欲しい物はある程度手に入る、僕たち超幸せなのに自殺者は減っていない。

 

そう考えるとこれからは伸び率を追求する事が大事になる。

伸び率を追求しようとするならば、必要なのは『不安』や『恐怖』などだ。例えば、起業してうまくいったらすごく嬉しいと思う。なぜなら起業する時点で絶対うまくいく保証などなかったはずで、その『不安』や『恐怖』から開放された時にはすごく嬉しいと思う。

つまり、幸福には『不安』や『恐怖』が内包されていた方がよい

 

 

【伸び率を追求するテーマパーク『おとぎ町』】

それを実現するために、埼玉県で『おとぎ町』という物を創っている。『おとぎ町』はみんなで町を創ろうというモノで、『リアルシムシティ』みたいなことをやっている。

 

www.otogimachi.com

 

camp-fire.jp

 

ある小学生が町に井戸が欲しいと言った。

調べたら、地下に水脈がある事が分かった。

そして井戸を作るために『クラウドファウンディング』を立ち上げた。

井戸を作るお金が集まった。

集まったお金を使って井戸を作り始めたが、2時間掘っても3時間掘っても水が出てこない。

『これはダメか』と思い始めた時に水がピュっと出てきた。

その時に、その場にいた全員が『うわぁぁぁー水だー!』と大興奮に包まれた。

 

水。たった水。

この井戸を掘っている間も近くの水道で手を洗っている。

 

だけどここから水が出ることが重要で、僕たちはたった水ですら、この道筋をたどれば水は出るはずだが、もしかしたら出ないかもしれないという『不安』や『恐怖』があると、水が出た時にこんなにも感動をする事ができる。

おとぎ町では水が出た打ち上げとかしている。

 

僕たちはもう物質的な幸せを獲得するのは無理。もう日本は整っちゃったから。

今、幸せを求めるのであれば精神的なモノ。

そう考えると『クオリティ』ではなく『伸び率』を追求した方がよい。

 

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常識を疑うというのは、本質を追求すること

2月25日に下記のイベントに参加をしました。

camp-fire.jp

 

 

 

参加した理由は2つ

1.キングコング西野さんの著書『魔法のコンパス』を読んで、生で話を聞きたいと思ったから

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実は、これについては昔から結構やっていて、有名な作家や文化人でも新書が出版されたタイミングでは、出版記念の講演会などを数千円で実施しているのでよく聞きに行っていました。だから西野さんの講演会を聞きに行くのは確定をしていてタイミングを待っていただけという感じでした。

 

 

2.自分の常識を覆すイベントだったから

今回のイベントは「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」というクラウドファウンディングのプラットフォームで参加募集されていたプロジェクトです。

camp-fire.jp

クラウドファンディングとは、「こんなモノやサービスを作りたい」「世の中の問題を、こんなふうに解決したい」といったアイデアやプロジェクトを持つ起案者が、専用のインターネットサイトを通じて、世の中に呼びかけ共感した人から広く資金を集めるという仕組みで、募集期間内に目標支援金が集まらない場合は、プロジェクトは不成立となり実施されません。このイベントの申込者はパトロンという支援者という位置づけになり、プロジェクト成立のリターンとして講演会参加などの権利を得るという形になります。

 

僕が見た時点で既に目標金額に達していたので、イベント実施は確定していましたので、講演会に参加するというノリでページをスクロールしていきました。

そうすると、僕の常識を覆す支援内容が目に入りました。

 

『セミナースタッフとして参加 10,000円』

 

通常、セミナースタッフとは、お金を払って雇うのが常識など思っていたのに、労働する人間がお金を払うという発想に驚きました

ただ、この発想こそが、僕がセミナースタッフとしてこのイベントに関われた最大のポイントだったのです!

当社が仕事の掛け持ちが禁止されているので、これがお金を貰う仕事であったら僕は運営スタッフとしてこのイベントに参加ができなかったからです。

 

さらに『講演会参加』の権利は3,000円で、『講演会最前列で参加』でも5,000円で、セミナースタッフとして参加するためには聴講者の2~3倍の値段を払わないといけないというのも常識外れでした。

 

イベントタイトル通り、常識を疑うような文脈から何を得られるのかを体験したく、セミナースタッフとしてイベントに参加することとなりました。

 

 

 

イベントスタッフとして、申し込んだのちに運営スタッフ用のメッセンジャーグループに招待され、当日の衣装や事前準備の割り当てなどの打合せを進めていきます。

ここで驚いたのは、同じ運営スタッフ支援者の意識の高さです。

 

イベント実施にあたり、主催者から様々なテーマが投げかけられるのですが、油断していると全く追いきれないぐらいタイムラインが進んでいき、投げかけられたテーマが次々と決まっていきます。

 

通常、企業内でのプロジェクトなどでは、めんどくさいことは、極力自分でやりたくなく誰かが手を挙げてくれる事を待っている事が多く、このスピード感で物事が次々と意思決定される事はなかなかありません。

 

この時に感じた事は、運営参加で申し込んだ方々は、『支援金10,000円の価値を主催者に与えてもらおう』とは全く考えておらず、『支援金10,000円の価値は自らで勝ち取りにいっている』という事です。

 

 

 

そして、イベント一週間前に『チケット300枚完売パーティ』をアトレ品川の『el caliente』と『AW55(二次会)』で実施頂きました。※僕は所要で参加できず。

modern-mexicano.jp

www.eat-walk.com

お店のチョイスも素晴らしいです!

※ちなみに僕は、このお店の手配には全く関わっておりません。

 

 

 

 メッセンジャーグループのやり取りから、イベントへの期待値が相当高まり、当日を迎える事となります。※会場は、東京タワー脇の東京タワースタジオ

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今回のイベントで学んだ事は、大きく2つあったと思います。

1.クラウドファウンディングという仕組みの本質

2.生き方に常識なんてものはない

 

1.クラウドファウンディングという仕組みの本質

今回の講演者である西野さんが、自身のブログでクラウドファウンディングについてこのように言及しています。
 
昨日、21万部を突破した『えんとつ町のプペル』は、クラウドファンディングを使って、1万人で作った。
支援してもらうことで、作り手側にまわってもらったわけだ。
クラウドファンディングの本質は、資金調達ではなく、共犯者作りだ。
えんとつ町のプペル』は発売1ヶ月前の予約で1万部が売れた。
 
何が言いたいかというとね、
 
『お客さん』を増やすのではなくて、『作り手』を増やした方がいいということ。
なぜなら、『作り手』は、そのまま『お客さん』になるから。
そして、『お客さん』なんて、もう存在していないから。
 

まさに今回のイベントは、この言葉通りセミナースタッフから聴講者まで全てが、『支援者』であり『お客さん』でした。

 

恐らく今回のイベントも普通に講演料を3,000円で設定し開催しても、300人の人を集められたのではないかと思います。そこを敢えてクラウドファウンディングをかませたのは、クラウドファウンディングは『資金集め』ではなく『共同製作者集め』であるという本質があったからではないかと思います。

 

お膳立てされたイベントに参加するのではなく、主催者の想いに対し『共感』し『支援』し『成立』させた自負が参加者それぞれにあるから、イベントへの参加意欲や会場の熱量は通常のイベントよりも高かったように思います。

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当社でも館内で様々なイベントを実施していますが、主催者側が一方的に発信するイベントは淘汰されていき、このような参加者の支援が可視化されるようなイベントがどんどん拡大していく事を感じました。

 

逆にこの流れを利用し、当社でもお客さまが実施したいイベントを募り、支援者が一定数集まればアトレが場所を提供するというような参加型イベントを展開したり、そのような事をしやすいような仕組みづくりをすれば、よりお客様ニーズを捉えたり、新たなお客様の獲得に繋がるのではないかと思います。

 

 

2.生き方に常識なんてものはない

今回のイベントの主催者は、それぞれで個人輸入ビジネスを展開している4名の方々。

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・花井志穂さん

花井志穂 公式ブログ | インターネットを使って、自宅で働く〜これからの“女性の働き方”〜

・湘南Happy!! 八反田吾郎さん、花山京太さん、山川渉さん

湘南Happy!! 個人輸入ビジネスで自由な人生を! | ビジネス・副収入・副業で稼ぐ方法・内職・ネット物販ノウハウをお教えします。家族も仕事も趣味も夢も大好き!自由な生き方をデザインし続ける集団です。

主催者の方の事業背景もあってか、運営スタッフの方も個人事業主の方が非常に多かったです。

 

そういった方々はほぼ共通して世の中の常識にとらわれない生き方をしています。

・変化や試行錯誤を繰り返さないと生きていけない事を知っているので、固定観念がなく考え方が柔軟。

・精神的な豊かさを追求し、いかに楽しく生きていくかに貪欲。

・一年働き、一年遊ぶ。

・ワクワクしないことはどんどん切り捨てる。

・自分の時間を作ることは任せるという事、任せるためには完璧を目指さない。

・一つの選択肢に依存すると心の負担が大きい、常に選べる選択肢を用意しておく。

・興味を持ってもやれないことは多い、興味を持った時にやれる状況をつくるためには自分の幅を広げるためのネットワークを作ったり、今を一生懸命頑張ることが重要。

・自分の成果をシェアできる繋がり重要、そして繋がりを持つ事が簡単な時代になってきている。

・決めるのは直感、直感を突き詰めて成功したらそれが正解になる。

・諦めない限り、失敗にはならない。

 

イベント主催者の方々や同じ運営スタッフの方とのコミュニケーションで感じたのは、今、僕がやっているWEB関係の仕事で繋がらせてもらっている社外の方々と全く同じでオープンマインドとシェアマインド溢れる方が多いということ。

そして、何より人生を真剣に楽しもうとしているということです。

 

今回の件を通じて

『常識を疑うというのは、本質を追求すること』

だと感じました。自分がどのような生き方をしたいのかを改めて真剣に考えてみようと思います!(何となく今やっていることの延長に答えがある気がしていますが)

 

 

元々は西野さんの講演会を目的に参加したはずが、また新たな出会いが生まれました。時代の変化の最前線で生きている人たちとの繋がりは、また自分の可能性を広げてくれるきっかけとなりそうです!

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今の会社の話

僕は社会人になってショッピングセンターと①デベロッパー②クライアント③当事者の3つの目線で関わってきました。
その振り返りが今後のオムニチャネル展開のヒントにもなるのではないかと、思い出しながら振り返ってみます。

 

現職の話はまた後々、書いていこうと思うのでさらっと今までの経歴を記載します。

 

株式会社アトレの話 【2010年10月〜】

※ショッピングセンターの中の人になってからの話

 

 

アトレ大井町店【2010年10月〜2013年6月】

アトレに入社し、最初に配属になったのは、アトレ大井町店。

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営業Gに所属し、食料品ショップ(10ショップ)と生活雑貨(15ショップ)のサポートを2年9ヵ月。兼務で『ショップ向け研修担当』を1年半、『営業総務担当』を1年3ヵ月担当しました。あとは、再契約などをスポットで。

 

その他、営業Gの業務としては

マーケティング担当(ポイントカード分析)

・モチベーション担当(ショップ向け表彰やレクリエーション)

などがありました。

 

売上についての議論はアトレの人とより、はるかにショップの人としてました。とにかく、各社の勝ちパターンや隠れたノウハウを聞くのが楽しくて、食料品ショップの厨房でモノづくりの流れを学んだり、流動客の歩留まりを取る秘訣を教えてもらったり、共用広場にお店の家具を置いてリビングを再現してみたり、お花に少しでもなじみを持ってもらうためにサブウェイ式にお花をチョイスしアレンジメント体験ができるイベントをやってみたり、などショップさんとのコミュニケーションや一緒にイベントを考えたりすることを通じて、本当に多くのことを学ばせて頂きました。

 

 

マーケティング戦略室【2013年7月〜】

マーケティング戦略室(以下マ戦室)は、2013年7月に新設された部署で、部署の発足に合わせて大井町店から本社へ異動することとなりました。

 

当時の店長からの内辞も「本社に異動だが、部署名はまだ決まってない」と通達され、かつ本社に席を置くスペースがなかったため、当時、空室となっていた旧副社長室にて4名でスタートを切りました。※小部屋に机とパソコンとキャビネットしかなかったため、マ戦室での最初の仕事は、アスクルでの備品の発注でしたw

 

マ戦室は社長直轄の部署として、会社の施策をマーケティング視点で推進することを推進すべく(それまで、マーケティング分析のスキルは属人化していた)、当時140万人いたカード会員の「ポイントカードデータ」の分析やアトレの従業員向けにマーケティング教育を主な業務としていました。(店舗でマーケティング担当でもなく分析システムもほとんど触れていなかった僕がなぜこの部署に配属されたのかは謎)

 

また、ポイントカードでは把握できない顧客動向を把握するための新たな分析手法の挑戦、会員向けアンケートの分析、その他社長からの特命案件を担当してきました。※以外にこの特命案件のボリュームが一番大きい。

 

社長が交代してからは、さらに特命案件の比重が高まり、Webはその一環で関わりがスタートしました!

 

特命案件のひとつだったWebが自分の環境をここまで変える案件になるとは、当時は想像もしていませんでした。

 

ブログ開設から2ヵ月ちょっとで、やっと今ココって所までたどり着いたので、今後、大井町店でやってきた事や、過去の外部向けのセミナーなどで公開した範囲でアトレのマーケティングなどを書いていきたいと思います。

デジマについては、形になっていないのでまだ書けることがありません。。。

#でも、あとひと踏ん張りのところまで!

SCの中の人としてするべきこと

 短パン社長式 マーケティングセミナーin仙台の番外編です。

 

先日、仙台で参加させて頂いた「短パン社長式 マーケティングセミナー」の仕掛け人は仙台セルバで販促リーダーをされている吉田 久美子さん。

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今回の件をご縁に、FBやMessengerで情報交換をさせて頂いています。

 

 

このセミナーを終えて一つの疑問が生まれました。

 

「なぜ、個の発信を重視してセミナーまで開催しているセルバが、独自のショップブログを展開していないのか?」

 

という点です。

※SC全体の公式ブログはあります。

 

その理由を伺った時に、SCの中の人としてやるべきことの本質を付いていて、非常に感銘を受けました。

 

そもそも、セルバでは12年前より「近い将来、WEBがメインの告知・広告媒体になる」と考え、チラシメインからWEBサイトでの情報発信を中心に転換してきたといいます。

12年前というのが驚きです。。。

※SC JAPAN TODAY(SC協会発行の情報誌)の9月号に吉田さんの記事が掲載されておりますので、業界の方はぜひご覧ください。

www.jcsc.or.jp

 

 

独自のショップブログを展開していない理由はこんな言葉にヒントが隠されています。

デジタルツールは“宣伝ツール”ではなく“お客様や一緒に働く仲間と仲よくなるためのツール”と捉えています。

 

 店舗でツイッター公式アカウントをはじめる際に『正直何をしたらいいのかわからない』という声をよく聞きます。つぶやいても手ごたえがないし、反応も薄い。だから更新しなくなってしまった、などの声です。

 

なので、セルバではまず、公式ツイッターを実施することをオススメし、始めたらまず館内のショップでつながることを推奨しているそうです。そして、つながったショップが面白いツィートをしたらリツィートをする。当然セルバの公式ツイッターでもリツィートする。

 

そうすることで、お客様はひとつのショップをフォローするだけで、セルバ内の面白い情報を取得する事ができ、さらにそのリツィートで興味を持ったショップをフォローするようになります。

 

また、これにはさらに大きな効果があり、自分の周りのショップのことを深く知ることができ、仲よくなるきっかけが生まれるということです。

 

 

たしかにSCの公式HPでブログを始めても、そもそものターゲットがSCのHPを訪れてくれないと見てもらえる可能性はゼロです。セルバでは、まず『見てもらうこと』『関係性を築くこと』を優先し、もっとも情報拡散性が強いツイッターをショップに推奨しているのです。

 

 

さらにセルバでは、

「イズミディア(旧セルバがんばる部)」という公式ブログを展開しています。これは、「ニュース」「コラム」「お料理」「子育て」「おしゃれ」「ペット」「セルバ公式」の7つのカテゴリーに分かれていますが、最後の「セルバ公式」というメニューでお分かりの方もいるかもしれませんが、お客様ブロガーやショップスタッフがメインで記事を更新しています。

www.selvaselva.com

元々の「セルバがんばる部」というネーミングも「当時のブログはオシャレな人が素敵なライフスタイルを書くような雰囲気がありました。ただ、同SCのブログは、それはなんとなく違うのではないかと。オシャレをしようとしているけどヘマしちゃったとか、そんな人が応援したくなるというか、気になってまたブログを見てしまうなど、気さくな雰囲気を出せるように意識しました」※SC JAPAN TODAY 9月号転載

 

この言葉からも、「誰に向けて」「つながりや共感」を強く意識している事を感じます。

 

 

その他にも、

イラストレーターであり漫画家の佐藤ジュンコさんが連載する「ぶらぶらセルバ」

ぶらぶらセルバ | SELVA(セルバ) - 泉ショッピングプラザ

・セルバ文化教室

セルバ 文化教室のご案内 | セルバの最新情報 | SELVA(セルバ) - 泉ショッピングプラザ

・社会貢献活動

SELVAの社会貢献 | SELVA(セルバ) - 泉ショッピングプラザ

Facebookinstagramも展開しています。

 

 

そして、なにより推奨している吉田さん自身が

spatspipin.exblog.jp

当然ブログをやっている訳ですよ。2006年12月から

 

 

当然先日のセミナー記事も

spatspipin.exblog.jp

 

ブログに掲載し、個人のフェイスブックでも、

 f:id:you19800330:20170206015235p:image

当然、シェアしている訳ですよ!

 

 

 ちなみに個人的にすごく心に刺さった吉田さんの記事

spatspipin.exblog.jp

 

 

 

そして、Facebookでもショップスタッフをつながって情報発信している。

先日のSC協会ロープレ大会関連の記事。

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 ショップさんとの距離の近さやつながりの深さを強く感じます。

 

 

僕らは常々、SCは「お客様と直接接する機会がない」とか「販売の事はよく分からない」とか「お客様に商品を売るのはショップの仕事」とか「SCの販促は効果測定が難しい」とか「人が少なくて手が回らない」とか言い訳ばかりを並べがちであるが、吉田さんの取り組みをみると、僕らが『いかにお客様やショップに対してやれることを真剣に考えてないか』『いかにお客様を見ていない独りよがりな施策が多いか』を痛感させられます。

 

 

そして、セルバのような単館のSCが限られた予算の中で試行錯誤し、ありとあらゆるツールを駆使して、「お客様とショップ」、そして「ショップ同士」のつながりを築いていることを目の当たりにすると、強い危機感を感じます。

 

 伝わってますか?

 

今ならまだ間に合うと思います。

SCの中の人として、「できること」「やるべきこと」はまだまだあると思います!

 

僕の大好きなCM「Think different.」。

blog.prtimes.co.jp

僕らが挑戦していることは当時のAppleに比べれば本当に本当にちっぽけなことかもしれませんが、 この危機感を自分自身の覚悟に変えて、改革を進めていきたいと思います。

 

 

最後に、たくさんの気づきを与えて頂いた『短パン社長!』『吉田さん!』ありがとうございます!!!