成長とは与えられる物ではなく、勝ち取る物
今の会社に入ってから『教育』というものに非常に縁があります。
現場にいた時には、教育担当(教育担当と言う名称がおこがましくて好きではありませんが)として、ショップ向け研修の立案と実行を担当。
そして、本社に来てからは、新卒1年目社員と営業担当向けのマーケティング研修の講師を担当しています。
ただ、今の部署は僕の異動のタイミングで新設されたので、そもそもそんな研修は実施されていなかったのですが、当時の上長が非常に人材育成に熱い方だったので、人材育成プログラムから研修内容まで0から作成しました。
そして、社長交代で全社の育成プログラムが変更された際などは、それに沿った内容に調整を重ねてきました。
つい先日も新卒1年目社員(13名)向けにマーケティング研修を実施しました。
彼等、彼女等は、4月から1年間、テナント企業への出向が決まっています。
そのため、研修は『小売業の社員としての視点だけではなく、デベロッパー社員としての視点も持ちながら小売の事を学んできてもらうために、アトレがどのようなマーケティングを行なっているかを知る(特にショップサポートの部分)』と言うテーマで実施しました。
そうすると、3人ぐらいから研修の休憩中や研修後に質問を頂き、2人ぐらいから後日個別に質問をもらいます。
3年間、新卒1年目研修の講師をしていますが、この比率はどの研修においてもおおよそ変わりません。
僕の新卒1年目研修のコンセプトは「2、3年後に求められる知識やスキルを先に突っ込む」を意識してカリキュラムを作成しています。(今すぐに使えるスキルならわざわざ研修でやる必要がないので)
ただ、それは受講者当人たちに伝えている訳ではないので、だいたい研修を聞いて「明確な目標が描けた人」や「今の自分の業務と重ねて危機感を感じた人」が個別に問い合わせをしてきます。
そう言った人達には、当人達の質問や不安に合わせたアドバイスをしますが、そう言った事を繰り返していくと、改めて『成長とは与えられる物ではなく、勝ち取る物』と実感します。
研修は、不特定多数に対して実施する物なので、研修の場ではあくまでも一般論や自分が見聞きした経験しか伝えられません。
しかし、そのような行動を取れる人達は、研修を聞きながら今の実務と重ねたり、自分の将来のあり方を思い描きながら、研修を自分事化しながら消化している気がします。
自分事として捉えた上での質問だから僕もその人達に合わせた回答ができる。そして、その時に頂く質問が意外に物事の本質を捉えた質問や悩みだったりします。
そう言った質問や悩みに応えていくなかで、僕は講師でありながら、受講者の方々に成長させてもらっている事を実感します。
僕は企業が成長するためには、前年踏襲型ではない内製研修は非常に有効だと思います。
講師側は研修カリキュラムを製作する過程で自分の仕事の棚卸しや仕事の本質を見つめ直すことができます。
そして、受講者側は自社の上司や先輩の実務経験を踏まえた内容を吸収でき、自分事化できた受講者はさらにそこから強み・弱みを深堀りできる。
そういった事に講師が応えていくことで、講師側にも新たな気付きが生まれる。
もっと社員同士で相乗的に成長していく仕組みや文化をきちんと作っていきたいと思いますし、そういうことをしていかないとこれからは生き残っていけないだろうと強く感じます。