地域マーケットにおける情報発信のあり方
昨日の上野店に続き、新浦安店の特設カウンター応援についてレポーティングしてみました。
【現在の進捗】
4月21日大井町店でのLINE@を皮切りに
・8月21日:上野店
・9月1日:亀戸店
・9月1日:新浦安店
と導入がスタートし、裏ではその他の店舗でも導入準備が進んでおります。
【地域マーケットとLINE@の親和性】
この度、新たに導入した亀戸店と新浦安店は大井町店同様、JRE POINTカードの買い上げ比率が50%を超え、食料品を主体とするマーケットです。
両店の進捗は以下の通り9月15日(金)までの進捗は以下の通り、
・亀戸店(2,484人:165人/日)
・新浦安店(7,691人:512人/人)
これは、入会のインセンティブとなる500円クーポンを亀戸店は先着2,000名、新浦安店はキャンペーン期間中全員対象としている事が大きく影響しています。このインセンティブの付け方の違いは各店に任せており、良し悪しというよりは方向性の違いと言えます。
先着制限:発生する販促費が読める
ベタ付け:発生する販促費が読めない
また、浦安市については、千葉県の市区町村で最も高齢化率が低く、折込チラシなどの紙販促からデジタルでの訴求へのシフトすることの効果が見込めるため、初期投資を多少かけてでも利用者との繋がりを強化しようという意図がありました。
そうであったとしても、9月9日時点で亀戸店お友達数が1,893人(210人/日)に対して、新浦安店が4,491人(499人/日)という数字は明らかに驚異的です。※ちなみに大井町店は開始9日間で2,906人(322人/日)
その真意を確認することも含め、9月16日(土)に特設カウンター応援に行ってまいりました。
【驚異的なお友達獲得のための戦略】
1.館内告知の量による刷り込み効果
アトレはとにかく館内ポスターが多いのですが、消費者目線で考えるとあまり目に止まらないのでないかという印象を受けますが、新浦安は違いました。恐らく館規模に対してポスターの数は他のアトレとそれほど変わらないと思うのですが、訴求している情報がかなり絞り込まれています。つまり館内を歩いていると同じ情報を何回も目にするので刷り込み効果が高いと言えます。
館内の至る所でポスター訴求
お客様が滞留する箇所にはスタンドポップを設置
館外の駅コンコースにも案内を設置
そして、トイレの個室にも設置(笑)
※でも、これ超重要だと思います!
2.戦略的な情報訴求
新浦安店最大のキラーコンテンツはWポイントです。デイリーでのご利用が多い新浦安店のお客様は常にWポイントの日程をチェックしています。その購買心理を利用して、新浦安ではWポイントを告知するポスターには必ず重要なお知らせをセットで告知するようにしているそうで、現在はLINEの情報をセットで訴求しています。
また、事前告知をするためにQRコードを後貼り仕様にしたり、
QRが下部に掲載されており読み取りづらい事と、あえて目を引くようにポスター外に追加での設置をして工夫を凝らしていました。
また、LINEのインセンティブキャンペーンでいつも課題としてつきまとうのが、クーポンをもらったらすぐブロッグしてしまうという問題ですが、その点についてもしっかりと手を打っており、毎月2回の抽選クーポン配信という登録後の継続的なメリットを伝える通年のポスターを掲載していました。
この告知については、ブロック防止につながる反面、定期的に経費が発生するので、館としてデジタルシフトしていくという覚悟を感じました。
3.テナントを巻き込んだ告知
館内での訴求や特設カウンター以上に入会促進に効果的なのは、ショップさんのオススメです。新浦安店ではその点の啓蒙がしっかりと行われていると感じました。
各ショップの店頭には必ずスタンドポップが設置され、
大型店には複数枚の告知物を配布
従業員休憩室、従業員トイレ、バックヤードにもとにかく徹底的に告知します。
これにより従業員自身も販促施策のメリットを享受できると共に、新浦安店の販促情報をLINEの配信からキャッチアップする事になるので、販促効果の相乗効果が見込めると考えられます。
戦略への覚悟と当たり前の事を徹底的にやっている事が、この驚異的なお友達登録数に繋がっている事を実感しました。
【特設カウンターでの気づき】
特設カウンターは全部で2箇所設置しました。
1.改札正面のメインエントランス脇
2.1階の食料品フロア直結の入口
1がいわゆるメインエントランスですが、地元のお客様や食料品目的のお客様は2を利用します。
3店舗目のカウンター対応なので、お客様動向を比較しながら行っていたのですが、新浦安のお客様はとにかく複数名の来店が多かったです。
そして、お客様同士の「LINEの友達登録だけで500円のお買い物券をもらえるんだよ!知らなかったの!?」みたいな会話から口コミ効果が高いマーケットであり、かつ、マーケット内の有益な情報をいち早く獲得している事がその人の価値を上げる事に繋がる事も分かりました。
そのような状況は、LINEのタイムラインのシェア数からも感じる事ができます。
なので、多少お時間がありそうなお客様に対しては、「今後も月2回程、抽選クーポンのご案内も配信させて頂くので、ぜひ引き続きご利用ください」とメリットをお伝えすることを意識しました。
また、1階食料品フロアに直結する入口でのカウンターは当初なかなかご登録に結びつきませんでした。この入口を利用する方は間違いなく新浦安店のヘビーユーザーの方のはずなのに、なぜご登録に繋がらないのだろうと疑問に思っていましたが、カウンターに立っているうちにその疑問が解明されます。
そのカウンターは館外に設置されているために、ここでお買い物券を引き換えられる事に気づいていない方が多数いらっしゃる事に気づきました。(引き換え対応をしていると、続々と並んでご登録をされる方がいらっしゃったため)
そこで、「LINEのお友だち登録で、“この場で”500円のお買い物券をお渡しさせて頂きます」とトークを変えるといきなり登録者数が増加しました。
【まとめ】
我々本社メンバーは、一日しかカウンター応援にお伺いできませんでしたが、その後のお店の頑張りもあり、現在は新浦安店が大井町店を抜いてアトレ全店でお友だち登録数1位となりました。マーケットのポテンシャルはある程度想定していたものの、ここまでの驚異的な数字は、現場の当事者も想像していませんでしたが、綿密に練られた戦略と今後マーケットをどうしていきたいかという覚悟や意思があれば、このような結果を叩き出せるのだと実感しました。
今後は獲得したお客様にどれだけ価値のある重要をタイムリーに訴求し、口コミ効果を最大化させるかが大きな焦点となってくると思います。
新浦安店はコミュニティー型マーケットでの新たなSC販促のモデルケースとなりうる可能性を強く感じましたので、今後も注目&バックアップしていきたいと思います!