ちょゆき(仮)’s blog

ショッピングセンターとデジマについて

前の会社の話【後半】

前の会社の話【前半】の続き

 

 

◾︎デジタルサイネージの事業拡大

オックスプランニング(以下OCCS)では、三菱電機と共同開発した大型LED表示機を古くからアミューズメント業界に多く納品していたこともあり、その兼ね合いで店内サイネージなどに関してもかなりのノウハウを持っていました。(大型LED表示機とセットで店内のサイネージも一括受注するケースも多かったと思います)

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そのノウハウを他の業界にも展開すべく、僕も本格的にデジタルサイネージの営業をかける事となりました。

当時、僕が多くお取引をさせて頂いていたショッピングセンター業界(以下SC業界)においても、サイネージを導入される施設が多かったので、既存のお客様にご案内をしながら、新規の営業も並行して実施致しました。

 

 

しかし、これがビックリするぐらい案件が決まりません。

 

 

OCCSで僕がやっていた営業はグラフィックを活用した既存施設の活性化や課題解決が中心だったため、基本的にお取引はすでに運営されている施設です。

しかし、その当時に設置されていたサイネージは、新規SCがほとんどでゼネコンでもメーカーでもない当社が入り込む余地はほとんどありませんでした。

また、既存施設において、サイネージを導入して頂くのはかなりハードルが高く、ましてや当社の納品実績の多くがアミューズメント業界だったので、より投資対効果が求められるSC業界では事例には大変興味を持って頂けるものの紹介だけで終わるケースが多く、注目度ほど簡単なことではありませんでした。

 

それまで僕が納品してきたグラフィックの案件はOCCSの先人たちの知恵で開発してきた事業で、僕はそれに乗っかって営業をしてきたに過ぎなかった事と、業界的には価格競争も激しくなってきた事も肌で感じていたので、グラフィック以外の武器を開発する必要がありました。

 

 デジタルサイネージを事業化するために必要な事。それは当たり前ですがSC業界で納品実績を増やす事だと思いました。

そのために、来た依頼はどんな受注角度が低そうな案件でも必ず提案書を出しました。前半の投稿では数字を作れない営業マンは自分から提案しますと言ってしまうと書きましたが、この時期はとにかくお客様に自SCにデジタルサイネージを入れた時のイメージを少しでも持ってもらうために、ひたすら提案書を書きました。

 

それを繰り返しお客様と会話を重ねていくと大きな気づきが生まれました。

 

『ほとんどの案件でデジタルサイネージ設置が目的化している』

 

つまり、課題が明確に可視化されていないにも関わらず、何となく世の中で流行っているデジタルサイネージという手法が先行するので、案件がある程度進んだ時に「で、結局、何のためにコストをかけてデジタルサイネージを設置するんだっけ?」となるパターンです。

 

 その傾向が分かってきた時に、グラフィックとデジタルサイネージは商品は違えど、課題解決というアプローチは変えなくてよいのだと気づき、サイネージ説明の際には、下記の図を盛り込むことにしました。

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サイネージには、『ハード』『ソフト(WEBで言う所のCMS)』『コンテンツ』の3つの要素があり、『抱えている課題』や『達成したい目的』によって3つの要素の選定が変わることを最初に説明するようにしました。

まず、サイネージ導入検討以前に、今の施設で何が課題で何を解決したいのかに立ち返って頂く時間を作ることで提案の幅も広がっていきました。(例えばサイネージ案件からスタートしたとしても課題解決手法の一案としてグラフィックプランも盛り込むなど)そのような提案の幅も評価頂けたのか、徐々に納品案件も増えていきました。

 

答えがないことに試行錯誤し、それを少しずつ形にしていった事は、僕にとってとても大きな経験で、この時の経験は現職でマーケティング戦略室を立ち上げた時や現在のWEB戦略においても大きな武器になったと感じています。

 

 

◾︎OCCS退職

 OCCSの仕事はとてもやりがいがありました。

離職率は高かったし(100人規模の会社で年間退職者が100人ぐらいの時も)、連日深夜まで働いていたし(カプセルホテルにもたくさん宿泊)、最後の方は鉄道系SCのお客様が多かったので終電〜始発までの施工に連日立ち会ったり、本当にいつも満身創痍でしたが、当時のOCCSの社風やビジネスモデルもあってか、社内、協力会社様、お客様など周りの人達が『新しい価値』を生み出したいという意欲に溢れていて、そんな方々に囲まれてする仕事はとても楽しかったと今でも感じます。

 

 しかし、2009年の年末に自分の仕事を振り返った時に売上は好調だったにも関わらず、入社してから一番達成感を感じる事が出来ない一年だったと感じました。

前述で離職率が高いと書きましたが、OCCSの退職理由は必ずしも業務がキツイという人だけではなく、夢を実現するために起業したり、今やっている仕事をより追求するための転職など前向きな理由での退職も多くありました。

そのような人を多く見送る中で、今の仕事はやりがいがあるけど、自分は将来どうなりたいのか?、そしてそれはOCCSで達成可能なのか?と真剣に考えました。(実はこのちょっと前の時期にWEBの部署に異動希望を申し出て、真剣に検討を頂いた事があり、このタイミングで異動が実現していたら、良くも悪くも人生が大きく変わっていたかもしれません)

そこで、以前に投稿した『一冊の手帳で夢は必ずかなう』を読んで、人生の目標を設定するに至ります。

 

その時に商業施設運営会社に転職という目標設定をし、一時期はお客様の所へ『代理店の営業担当』と『転職試験受講者』という2つの顔で訪問していた時期もありました。(受付の方はどんな気持ちだったのでしょうか 笑)

 

商業施設運営会社への転職を目標設定してからは、さらに仕事の意欲は増したと思います。(クライアントの会社に入る可能性もゼロではなかったので)

 

そして、2010年の10月1日に株式会社アトレに転職する事となりました。(ちなみに前日は夜の21時まで引き継ぎをしていたので、翌日に普通にOCCSに出勤してしまわないか不安でした 笑)

 

OCCSは、前々職で底辺まで落ちた僕に自信を与えてくれた会社で、OCCSでの4年11ヵ月の経験は今の僕の基盤になっていると思います。

また、当時の仲間は、『OCCSに残っている人』『起業した人』『転職した人』など働く環境はバラバラですが、今でも会うといつも新しい刺激と危機感を僕に与えてくれます。

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※いつぞやの同窓会

 

 

ちなみに、僕がいた『株式会社オックスプランニング』は、現在『株式会社クラウドポイント』という社名にかわり、僕がいた当時よりもデジタルサイネージ事業が拡大し、たくさんの納品実績を持っています。

※僕がいた当時は完全な提案営業が中心でしたが、現在はサイネージ関連の商品開発も進み、僕がいた当時の会社の環境とは大きく変化していると聞いています。

特に、自社開発したコンテンツ配信システムは僕も展示会で操作した事がありますが、かなり使いやすいと思います。なにかサイネージの件でお困りの事があれば、超優秀な僕の同期をご紹介します 笑

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