ゼロをイチにすることの価値~その2~
4月21日の大井町店LINE@開設に合わせて実施しているLINE@お友だち登録キャンペーン。
5月14日でキャンペーン終了なので、13日、14日と2日間は最後の追い込みで館入口に特設カウンターを設置。13日は本社販促担当と一緒に現場応援に行きました。
【アトレ大井町店LINE@新規友だち登録CP概要】
期間:2017年4月21日(金)10時~5月14日(日)21時
期間中にアトレ大井町店LINE@に登録頂くと、アトレ大井町店で使える500円分のお買い物券をプレゼント
お客様の立場で考えると友だち登録をするだけで500円分のお買い物券をもらえ、登録後のメッセージ通知が嫌であればクーポン引き換え後にアカウントをブロックしてしまえばよいので、特にデメリットの無いCPであります。
それが故に、クーポン目当てでのブロックも懸念されました。しかし、現在は10%程度のブロック率に留まっているので、お客様はアトレ大井町店からの情報に一定の期待をして頂いており、今後の運用の仕方がお友だち維持率を左右するだろうと感じています。(現場応援ではこのブロック率10%が驚異的に少ない数字だと実感する気づきもありました)
【アトレ大井町店LINE@新規友だち登録CP実績】
期間全体のお友だち登録数:6480名(270名/日)
有効お友だち数:5839名(ブロック率9.89%)
※男女比は2対8、上位年代は30~40代女性
特設カウンター設置日のお友だち登録数:992名(496名/日)
有効お友だち数:910名(ブロック率8.2%)
開設日から3日間は平均約500名の登録者があり、それ以降は1日平均約200名の登録者で推移。直近1週間は1日平均約150名の登録者と登録が鈍化していましたが、最後の特設カウンター設置日で登録者数を拡大しました。
【特設カウンターに立ってみての気づき】
販促担当とべた付きで特設カウンターに立ったのは2時間でしたが、2時間で100名以上の方にカウンターでお友だち登録を頂きました。※インフォメーションでもクーポンの引き換えをしていたので、実際には同時間中にもっと多くの方にご登録を頂けたと思います。
我々、SCの人間は対面でお客様と接する機会が少ないので、このようにお客様と直に接する機会があるのは非常に貴重で多くの学びを頂けます。(2時間で100名のお客様に対面する事は小売時代でもなかなか無かったので)
■特設カウンターで感じた気づき
・店頭声だしの有効性
4月21日から店頭、館内にポスター掲示はしていたが、店頭声だしによりCPの存在に気づかれご入会される方が多かった。中には、毎日買い物に来ていたのに気づかなかったとお声がけ頂く方もおり、SCのCPにおいて声だしは非常に有効でお金をかけて販促をやるよりも毎日店頭でお声がけした方がよっぽど売上が上がるのではないかとすら感じた。駅立地のように何となく入館されるようなロケーションであれば、声だしでお客様の入館数を上げてやるぐらいの気概があってもよい。(ちなみに僕は大井町店時代に毎週、火曜市の呼び込みを1人でやっていました)
・消費者のモバイルリテラシーの差が拡大
特設カウンターでイチから登録をご案内差し上げる方がいる反面、登録完了の状態で画面をお持ち頂ける方が思いのほか多く、QRコード登録になれている方が多いことは驚いた。特に主婦の方はお得なサービスを享受するために手間を惜しまない方も多いので、享受できるメリットが明確であればSNSやアプリもご登録頂けると実感。(逆にメリットが少ないと簡単でも登録は難しい)
そしてこれだけスマホ普及率が高くなったとはいえ、モバイルリテラシーが低い方もいるので、そういった方に対してどこまでのサービスを提供するかの検討が必要。(今回のような特設カウンターは有効だと感じた)
・購買比率よりも男性登録者が多い理由
実売よりもLINE登録者の男性比率が高いのは、モバイルリテラシーの問題かと思っていたが実際にはその仮説は外れていた。特設カウンターでお客様を観察しているとクーポンがもらえるという理由で奥様に促されて登録する旦那様やお子様が多かったからという理由である事が判明。そう考えると10%のブロック率が驚異的に低いと実感できる。
・LINEの高い登録率を改めて実感
以前当社でもスマホ限定の施策を実施した時にガラケーしかないがCPに参加したいという声が寄せられた事もあったが、今回、「携帯は持っていないがクーポンを欲しい」「クーポンを欲しいのでLINEの登録からやってほしい」などのお声はなかった。中にはガラケーでもLINEを使っている方もおり、LINEの浸透度を改めて実感した。
・消費者にとってはLINE@もLINEも同じ
事業者視点ではLINE@とLINEを分けて考えているが、消費者にとっては事業者側の契約形態など全く意識しておらず、どちらもLINEという認識を持っている。一部の方はLINEとLINE@が違うアプリだと認識している方もおり、消費者向けのポスターやお声がけはLINE@ではなくLINEとご案内した方が分かり易いのではないかと感じた。
・紙のクーポン券の価値は高い
今回のクーポンキャンペーンはオペレーションが若干複雑で、お客様はLINEのクーポン画面を直にショップに持っていく訳ではなく、アトレのインフォメーションセンターか特設カウンターにお持ち頂き、紙のクーポンと引き換えて頂きました。(経費計上の兼ね合いにより)見方によってはお客様にお手間を煩わせているという考え方もできますが、特設カウンターでご案内した体感としては、登録までは「本当に登録だけで500円券ももらうえるのか…」という疑心暗鬼な様子のお客様も登録後に紙もクーポン券をもらうと安心したような嬉しそうなお顔をして頂けるので、やはり手にした実感という重みは重要であると感じた。またアトレの社員から実際にクーポンを手渡しされる事でお客様もアトレからサービスを享受したと強く感じて頂けるので、手渡しの価値を改めて感じた。(これはデジタル時代のリアル店舗の価値に通じるモノがあるので追求していきたい)
・特設カウンターはタイプの違う複数名で対応する事が有効①お客様視点
販促担当と2名でカウンターに立ちましたが、100名ものお客様をご対応するとお声がけ頂くお客様の傾向に気がつきます。なぜか訪日されているアジア系の外国人の方は販促担当の方にお問合せを頂き、僕の所には1名もいらっしゃらないなど。(海外のLINEはお友だち登録の際に「追加」ではなく「ADD」と表示されると販促担当に教えてもらいました笑)また、僕らの会には男性の方が多かった印象もあります。お客様によって声をかけやすいタイプというのも当然あると思うので、その時間帯に多いお客様層に合わせてカウンターに立つ人の人選も考えていく事が重要だと感じました。(小売業だと当たり前の事がSC業だとお客様と対面する機会が少ないので基本的な事が抜けがち)
・特設カウンターはタイプの違う複数名で対応する事が有効②事業者目線
実際にお客様と対面するとデータでは分からないお客様の動向が分かります。自分自身で感じる気づきも当然あるのですが、同じ時間を共有した人と議論をする事でお客様理解の深みが増すことに気づきます。お客様に対してのお声がけやご案内も一人でやっていれば、同じことを繰り返すだけになってしまうかもしれませんが、2人でやると「こう案内したらスムーズにご案内ができた」「こうすると分かりやすい」「こんなお客様が多いなら○○みたいなCPを今度やった方がいいかも」など施策の精度向上や今後のアイデアなどがその場で議論する事ができます。当社では社長が1日に売場を3時間回るようにと現場には行っていますがそれも1人で回るのではなく、2人で議論しながら回った方が有効ではないかと感じました。
今回、お客様と対面してたくさんの気づきを得られたので、さらに追求していきお客様への価値向上へと繋げていきたいと思います。