ちょゆき(仮)’s blog

ショッピングセンターとデジマについて

はてぶ【良品計画さんとの勉強会】

先日、良品計画さんに勉強会を開催して頂きました。

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この場をセッティング頂いたのは良品計画にてアドバイザーとして「MUJI passport」の立ち上げなどマーケティング活動全般を支援され、このたびプリズマティクスの代表に就任された濱野 幸介さん。※プリズマティクスHPより一部引用

prismatix.jp

 

我々の知見が足りなさすぎて、良品計画さんのデジタル戦略について聞ききれた感は全くありませんでしたが、自社を見つめ直す貴重な機会を頂きました。

※下記の内容はあくまで個人的な感想や主観を含んだ内容なのでご了承下さい。

 

冒頭に当社の現状や今後考えている方向性や悩みを共有させて頂きましたが、第一声で当社が直面する課題を見事に言い当てられてしまいました。

 

アトレは何か?

 

アトレは何であって、どうありたいか?

デベロッパーであるのは間違いないが、もっと根底にある『志』『ストーリー』『らしさ』が定義されている事が重要であり、定義されていない事(もしくは気づいていない?)が課題であるという事です。

 

無印良品のブランド力

お話をお伺いしていて、無印良品の強さの根幹は、ブランドが生み出された背景にあると感じました。

無印良品について | 株式会社 良品計画

無印良品は1980年に西友のPBとして生まれました。「わけあって、安い」をキャッチフレーズとし、安くて良い品として開発された無印良品は、大量生産・大量消費時代のアンチテーゼだったと言います。

(濱野さん補足追加)

www.muji.net

その理念に賛同した無印良品ファンが働いている会社が良品計画であり、今でもその理念は脈々と継承されているそうです。

元々の無印良品ファンが、メディアのTPOに合わせて自然と無印良品らしさを考えて情報発信するからこそ全ての情報に共通の理念を感じる。それを自然にできる事が無印良品の大きな強みであると感じます。

 

無印良品の商品

無印良品のECはほんの一部を除いて、ほぼ100%自社ECで販売されています。

そこには「よい商品+よい環境+よい情報」どのいう考え方があると言います。

例えばiPhoneはアップルでしか作れないかもしれないが、無印良品の商品は作ろうと思えば似たような物は他社でも作れる。しかし、無印良品の商品を買って頂けるのは、「よい商品が」「よい環境に置かれ」「よい情報を届けられる」と無印良品の世界観の中で商品に魔法がかかり、それに共感した人が買ってくれる。確かに無印良品の商品は生活の中でも無印良品のオーラを発しているような気がします。

(濱野さん補足追加)
mujiさんの情報って生活の中でもさりげなく目にして、さりげないけどきちんと印象には残っていると感じます。

長さんの↑のコメントに対してはこれ。
空の器であると。

無印良品の商品の特徴は簡潔であることです。極めて合理的な生産工程から生まれる製品はとてもシンプルですが、これはスタイルとしてのミニマリズムではありません。それは空の器のようなもの。つまり単純であり空白であるからこそ、あらゆる人々の思いを受け入れられる究極の自在性がそこに生まれるのです。省資源、低価格、シンプル、アノニマス(匿名性)、自然志向など、いただく評価は様々ですが、いずれに偏ることなく、しかしそのすべてに向き合って無印良品は存在していたいと思います。」

無印良品[無印良品からのメッセージ]

 

無印良品のデジタル戦略

そのような根底の理念があるからこそ、無印良品さんは新しいデジタルツールにはどんどんチャレンジしていっている印象です。

①当社との戦略の違い

当社の戦略と無印良品さんの大きな違いを感じたのは、当社は顧客接点をピラミッド型(未利用者→利用者→ポイントカード入会者→クレジットカード入会者的な)で考えているが、無印良品さんはあまりツールごとの重みづけをしておらず(もちろんMUJI passportはその中でも重要な位置づけである事は間違いないですが)タッチポイントの多様化という戦略を取られている印象がありました。

確かに1人の人が多様なツールを使い分けている事を考えると、様々なツールを駆使して1人のお客様との接点を増やす事こそが重要とな感じました。

②分析の視点

やはり無印良品リアル店舗が最大の強みであるので、お店が見たい分析の切り口を追求しているように感じました。

またツールごとの状況をきちんとファネルでみて発信した情報の効果をきちんと検証されています。

satori.marketing

個人的に感じたのは、リーチ数よりもシェア数が重要であると感じました。例えば、Facebookの公式アカウントのいいね数が100だったとしても、100人の友達がいる人が情報をシェアしたら同じだけの効果になる。さらにそれは事業者からではなく友達からきた情報として届くため、さらに情報の価値が上がるなと感じました。そう考えると情報発信はただのインフォメーションではなく思わず友達と共有したくなるような情報をどれだけ届けられるかが重要であると感じました。

③徹底した顧客視点(人間の論理視点)

こちらについては僕が書くまでもなく、下記記事に詳細に掲載されています。

※というか、この記事を読めば僕が今まで書いたこともほぼほぼ網羅されているかもw

eczine.jp

(濱野さん補足追加)
・デジタルマーケティング、をやっている感はないです。あくまで生活者がデジタルツールを使う時間が長くなっているので、それに寄り添ってる感覚です。
・ピラミッド、というより支持・熱狂度合いは意識しています。例えばアプリ利用者<いいね!、コメント記載者<店頭イベント参加者<共創参加者みたいな構図が成立することは認識しています。
・ブランドというより、mujiぽいかとか、こうありたいとか、お客様に対する約束、は意識していると思います。大切にしたい軸があってそれを愚直に積み重ねてきた感じです。まだまだなんでしょうけど。

 

当社として考えるべきこと

デジタル戦略の設計については、色々な方が成功のポイントやツールでできることを定義されているので、頑張って勉強していけば当社なりに取り組むレベル感や体制は見えてくるような気がします。

むしろ、戦略の差を生む上で重要なのは、情報の中身でありその根底にある理念であると感じます。※今更思ったの!?と言われてしまいそうですが。

今までは駅流動の中で自然とアトレに入って頂き世界観を感じて頂けていましたが、デジタルツールが生活の中に入り込んできている今、どれだけ消費者の生活の中でアトレとしてお客様に役立つ価値を届けられるかが成功の分かれ目の様な気がします。(デジタルに限らず)

 

良品計画さんには懇親会までお付き合い頂き、ここには書いていない事もたくさんご教授頂きました。

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「アトレは何か?」に答えを出すと共に、当社の販促担当が懇親会で良品計画さんに「カンヌライオンズ」を目指すと宣言していたので、ぜひ頑張って頂きたいと思います。

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