前の前の会社の話【後半】
【前半再掲】
僕は社会人になってショッピングセンターと①デベロッパー②クライアント③当事者の3つの目線で関わってきました。 その振り返りが今後のオムニチャネル展開のヒントにもなるのではないかと、思い出しながら振り返ってみます。
株式会社ブルーグラスの話 【2002年4月~2005年8月】
ブルーグラスは、イオングループの婦人服・服飾雑貨の小売業を行っている会社です。※現在は合併に伴い㈱コックスに社名変更。 ブランドは10ぐらい持っていましたが、僕が配属されたブルーグラスはこんな感じ↓
ブルーグラスに入社した理由は「入社半年で店長を任せられ早いキャリアアップが見込める」という点。大学時代に洋服屋で3年間アルバイトをしていた事もあり、一刻も早く自分でお店を運営したいと考えていました。
【後半】
同期の退職
愛川店・八王子高倉店の兼任店長となり半年が過ぎた時に同期で旅行に行く事になりました。その旅行が自分の仕事の仕方を変える大きな転機となりました。
その旅行の際に同期から会社を退職したと告白されました。その同期は自分と同じく大学時代に体育会の部活に所属していたり、同じブランドへの配属になったこともあり、一番のライバルだと思っていました。
彼の退職は極めて前向きで自分をさらに成長させるためという理由だったことにも強いショックを受けました。(僕は店長業務が本当に毎日大変だと感じていたので)
「今の仕事を本当に心から大変と感じているか?」
「仕事になれてしまってないか?」
「周りの雰囲気に流されてないか?」
「お前にはそうなってほしくない」
的な事を言われたと思いますが、自分がライバル視していた彼の店長としての取り組みはそう言っても言い過ぎではないもので(少なくとも当時の僕はそう感じました)、彼との圧倒的な意識と力の差を痛感しました。
その出来事を機に休みの日は色んな店に足を運び、気になった売場はノートにメモを取り、自分の店で試すようになりました。
そのようなことを自分の店で実践していくなかで、1つのSC内に様々なテイストのテナントが共存する地方の政令指定都市の店で働きたい気持ちが高まってきました。(自己申告書には仙台のSCに異動希望を出していました)
そのような想いがどう解釈されたのか分かりませんが、2003年10月に秦野店に異動となりました。秦野は新宿から急行でも80分近くかかる場所で今考えると「あいつはきっと地方で働きたいのだろう」と思われた可能性が高いです 笑
ブルーグラス秦野店 店長 【2003年10月~2004年7月】
秦野店はデベロッパーがイオン(当時はジャスコ)で、近隣にはイトーヨーカドーもありましたが、周辺エリアのイオンカード世帯保有率が8割と圧倒的にイオンが一人勝ちしているエリアでした。ブルーグラス内での売上規模としては上の下ぐらいで売れ筋商品は初回には入荷するものの追加入荷の獲得は難しい店舗でした。
また、エリア内のSCの中では圧倒的な集客力がある反面、専門店ゾーンに対する販促施策はほとんどなく、自力で集客しようにも前店舗で実施したような館内放送を使ったタイムセールなどもできない環境でした。
そのような環境だったので、とにかく店前通行者に少しでもお店に入って頂くためにはどうすればよいかと試行錯誤を繰り返しました。
まずは、一日中、店前を通行するお客様を観察し続けました。
全く店の方を見ずに通り過ぎるお客様はほぼノーチャンスなので、注視したのは店の方に目を向けているにも関わらず、通り過ぎてしまったお客様です。
そのようなお客様を観察し続けると二つの傾向があることに気がつきました。
①値札に視線が動いていくお客様
②ディスプレイなどの商品に視線が動いていくお客様
①の方は主にセールの赤POPで目線が止まるので価格志向型の方だと分かり、主に午前中から午後の早い時間にいらっしゃる傾向がありました。②の方についてはトレンド重視のお客様で夕方以降のお客様に多い傾向でした。
①のお客様向けには、セール品を売場の一角に分かりやすくまとめて集積し、売場全体が安っぽく見えすぎないようにかつセール品の存在を認知できるように配慮しました。また、①のお客様が多く見える時間帯についてはお得感を感じさせるPOP展開を注意しました。
またセール期間中はチャレンジングな取り組みをいくつか実施しました。
・セール期間中にサークル什器をリースラインからどの程度出したら怒られるかを検証し、リースラインから完全に出した時点でデベロッパーの方に怒られました。(地方のSCに行くとリースライン前出し陳列が見られる所もありますが、今の時代に都内近郊でこれをやると間違いなくマイナスブランディングになると思います)
・タイガースが優勝した時には、自宅で黄色と黒のPOPを作成し、売場で展開しましたが、視認性がめちゃくちゃ高い反面、かなり品がない売場になってしまったため、すぐにPOPを下げました。
ただお店としては②のお客様の方がより獲得したい方なので、②の方向けにはいかに商品に目を止めて頂き、奥にお客様を引き込むかに注力しました。
・ディスプレイを奥と手前交互に配置し、視線の奥行きを出すことで歩留まりを上げる。
・売れ筋商品を奥のディスプレイや壁面にフェイスアウト展開し、奥にお客様を引き込む。
・曜日や時間の傾向に合わせてディスプレイを変更する。
・部門ごとに人気ランキングのPOPを作成する。
・壁面の棚の高さを若干変えて、高さが変わる部分はフェイスアウトにする。
・お客様を奥に引き込むという視点でハンガーの向きを柔軟に変更する。
・売れ筋の補充が難しい店舗なので、平日は定番商品や準売れ筋商品をコーディネートで売ることを意識し、休日は売れ筋商品の視認性をあげてセルフで売る。
それぞれ取り組みについては、意図をスタッフと共有しながら実施し、徐々にお客様を捉える手応えを掴んでいきました。
店舗開発部 建設課 【2004年8月~2005年8月】
秦野店での勤務も一年近くが経過した時に、店舗開発部 建設課の社内公募の案内がありました。入社してからバイヤーになりたいと考えてはいましたが、秦野店の店長経験や休日の店舗視察の中で、出来上がる前のお店に関わりたいと漠然と感じ始めていたこともあり、社内公募への応募を決めました。
社内選考は、上司はもとより事業部にも完全に機密として取り扱われ、人事部とのやり取りで進められました。(ブルーグラスは発令前の人事情報は全く漏れてきません)
書類選考の後、役員面接を得て、2004年8月に店舗開発部 建設課への配属が決定しました。
この時は、わずか一年後に自分が会社を退職するとは想像もしていませんでした。
店舗開発部は、SCとの出店交渉を行う店舗開発課と、店舗の新店・改装・退店などの際の内装管理を行う建設課の2つからなる組織でした。
建設課は、当時、年間各15~20件の新店、改装、退店の内装管理と600店舗あるお店のメンテナンス(軽微な不具合の修繕)を3名で行っていました。
前任者(寿退社)は大学で建築を学んでいましたが、僕はCADの操作はおろか図面を見るのも始めてだったので、わずか1ヵ月の引き継ぎ期間では、業務の習得は全くできませんでした。
2ヵ月目になり、前任者も退職し自分で仕事を回すようになると、さらに仕事は上手くいかず、焦れば焦るほど空回りする毎日でした。竣工日までの工程管理や今まで動かしたことのない額のお金の管理、不具合の早期修繕を望む店舗の声など様々なプレッシャーに押しつぶされ、建設課に配属されて、わずか2ヵ月で抑うつ状態となり、会社を休職することとなりました。
今考えると上司もいきなり素人の僕に大きな期待はしていなかったと思いますが、当時の僕は自ら手を挙げて配属してもらったこともあり、自分で自分にプレッシャーをかけていた部分も大きいと思います。
2週間の休職後に職場復帰を果たしますが、そもそも業務量と要員があっていないこともあり、全員忙しすぎて分からないことを内部で聞くこともままならない状態は大きく変わりませんでした。(これは人の問題ではなく、組織の構造上の問題)
分からないことを社内で解決することを諦め、取引先に質問するなど騙し騙し仕事を続けてきましたが、建設課に配属されて1年になろうとした時に、いきなり手の震えが止まらなくなりました。
「もうダメだ」と直感的に感じ、退職を申し出てその約20日後に退職をすることとなりました。
当時、上司や家族には大変な迷惑をかけてしまったと思っていますが、今考えても、当時の自分のスキルで状況を打開する術を思いつきません。
思いつきませんが、当時の教訓として今も意識しているのは「本当にダメになる前に、できないと声を発する勇気」や「自分の限界は自分でも気づかないのだから、周りはもっと気づくのが難しい」ということです。当時はできないといった瞬間に「あいつはダメだ」というレッテルを貼られてしまうのではないかという恐怖や不安でそのような言葉は口にせず、気づいたら限界を踏み超えていました。SOSの出し方を知っていれば、あそこまで多くの人に迷惑をかけることはなかったと思います。
あとは、人の心を破壊するのは業務の量ではなく、自分だけが社会の中で取り残されてしまっているような孤独感や無力感だと僕は思います。僕の場合は本社配属当時は本社で最年少でしたし、上司も年齢が15も上だったので同じレベルで悩みを分かち合える仲間が周りにいませんでした。同期の仲間と自分の環境があまりにも違いすぎることもあり、解決策の糸口も見えないまま悩みを溜め込んでいったのだと思います。
当時、あれだけご迷惑をお掛けしたにも関わらず、退職後に忘年会へ呼んで頂いたり、今でも情報交換をさせて頂いている方がいたりと、僕は本当にいつも人に恵まれていると思います。
ということで、新卒入社から3年4ヵ月でニート生活へ突入することとなりました。
ユーザー視点の価値訴求
今後、デジタル施策を推進していくにあたり、伝える情報の中身がユーザー視点で考えられていることが重要だと感じています。
デジタル施策に関わらず、大井町店で食料品・生活雑貨のカテゴリーマネージャーを担当していた時にもユーザー視点の重要さを痛感したことがありました。
大井町店は他のSC同様、夏・冬のセールが最大の商戦となります。しかし食料品ショップはその集客を活かすことができていなかったため、セールのタイミングに合わせて食料品ショップの合同企画を実施致しました。
■デベロッパー視点施策(失敗例)
セール期間中にスーパーを除く全店で「ワンコイン弁当(一律500円)」を展開しました。実施にあたっては期間限定のお弁当を展開して頂けたショップもあり、打ち出しも分かりやすかったのですが、結果的には売上に貢献しないどころか、ワンコイン弁当が大きく足を引っ張る結果となりました。
よくよく考えれば分かることでしたが、新規のお客様がその店のファンになるきっかけの多くが定番商品を何かのきっかけで購入し、それを気に入って再来をするというのが王道のパターンです。いくら安いからといって定番商品でないワンコイン弁当が新規のお客様獲得のフックになることはありませんでした。
では、誰がワンコイン弁当を買ったかというと、いつも食料品ショップを利用している大井町店の従業員や既存のお客様でした。それらの方がいつも購入している500円以上するお弁当の代わりにワンコイン弁当を購入したに過ぎず、各ショップの客単価を下げただけの結果に終わりました。※従業員の方には「いつもと違う弁当を安く購入できた」とご満足は頂けましたが、本来の意図とは違うので。。。
デベロッパーしか実現できない横串のキャンペーンという所までは良かったのですが、お客様心理を深く考えず、デベロッパーがまとめやすい企画という視点を優先してしまった結果でした。
■新企画立案のヒント
とは言え、次回に向けて代替案を考えなければならないのですが、なかなか良いアイデアが思いつきません。そんな時に牛丼の吉野家に行った時に新たなアイデアが降りてきました。その吉野家は帰宅動線にありながらもほとんど行ったことがなかったのですが、たまたま食事をした際に、30円引きのチケットをもらい何気なく財布の中にしまいました。
そして別の日に食事をして帰ろうと思った時に財布を開けるとそのチケットが目に入り、吉野家に再来店しました。この何気ない自分の行動をヒントに企画を検討しました。
■ユーザー視点施策(成功例)
食料品全10ショップで期間中利用できるチケットプレゼントという内容をベースに企画を煮詰めていきました。
(施策検討時のポイント)
①お客様に分かりやすいキャンペーン(利用対象ショップや利用金額の制限が多いと問い合わせが増えてマイナスブランディングとなる)
②重要なのは、値引額よりもお客様の財布にチケットが入り続け、財布を開けるたびにアトレの食料品ショップを思い出してもらうこと
③受け渡しや説明が煩雑にならない(通常期でも夕方の時間はレジ待ちが長いので待ち時間が長引くと本末転倒)
(施策の仕込み)
・チケットの名前は「お得クーポン(おとくーぽん)」と命名
・クーポンの価格は50円で統一
・クーポンは割引券ではなく金券扱いにする
・500円以上の購入で50円クーポンを1枚配布。次回、500円以上の購入でクーポンを1枚利用できる⇒食料品10ショップ中9ショップが客単価500円を超えているので、期間中はほとんどのお客様とクーポンの受け渡しをすることになる。それにより期間中は常にお客様の財布にクーポンが1枚入り続ける。
・配布されたチケットはどの店でも使える様に、裏側の経費を調整⇒小規模店舗は自分たちが配布したチケットが大型店で使われるのではないかと懸念するため、ここの調整が超重要。
・チケットどの形状の財布にも収まり、かつ埋没しないように名刺サイズよりやや小さめで作成。
・精算管理の部署と打合せを重ね、ショップ向けと精算担当者向けの運用マニュアルを作成し、オペレーションを徹底。
(懸念点)
・ クーポンの欠品
⇒前年のトランザクションデータから期間中に必要な枚数を割り出し、クーポンをまとめて配るのではなく期間中何回かに分けて配ることで紛失のリスクを回避する。
・発生コスト
⇒このやり方だと期間中のクーポン利用率が分からないので、発生する経費が読めない。前年の会員データから期間中の1人あたり来店回数を割り出し、目標伸長率を掛け合わせ、想定利用枚数を予測(結果的には利用が上振れし、経費は見込みより若干増えました)
ここまで周到に企画を詰めたにも関わらず、人事異動でセールの初日から本社勤務だったため、成果を生々しく体感はできませんでしたが、特に直近で苦戦を強いられていた大型店が売上を伸ばしました。
各店の店長に話を聞くと、やはり当初の仮説通り「財布に常に入っている事が再来店の大きなきっかけに繋がった」「食料品フロアは利用されていたが、チケットをきっかけにいつもと違うショップを使う方がいた」と体感される事が多かったようです。
個人的にはそろそろブラッシュアップした方がよいと思っているのですが、この施策は現在も実施して頂いているようです。
■施策を通しての気づき
食料品の単価ぐらいであれば、使っていない事に特に理由はなく、インサイトを付いた施策でちょっとだけ背中を押してあげるだけでその店のファンになる可能性があることを実感しました。
例えば、お寿司のお店で実施した面白い施策で、母の日に通常期に取り扱っている商品のネタも価格も変えず商品名を「お母さんありがとうセット」としただけで、飛ぶようにその商品が売れました。これは物を通じて感謝の気持ちを届けるというインサイトを的確に捉えていると思います。
売り手側は難しく考え過ぎたり、安くすれば売れるなどと考えがちですが、商品を購入するきっかけなどはそういうものなのだと思います。
デベロッパーの仕事はキャッチーなキャンペーン名でショップや商品をくくるだけではなく、SCやフロア、業種を利用されている方や利用する可能性がある方のインサイトを深く考え、ちょっとしたきっかけを作って差し上げる事が非常に大事だと思います。
僕も日々勉強中ですが、常に意識をしていないとすぐに事業者目線になってしまいます。。。
プロ意識を磨く
来週月曜日の朝礼当番にて「プロ意識を磨く」について話さなければならないので、少しまとめてみました。
※ちなみにデジマもデベも下記の内容は関係ありません。僕のブログの師匠である川添さんが言うところの「書きたいネタ」です。
僕は、大学まで体育部でサッカーをやっていました。サッカーは野球に比べ、選手生命が短いため、野球に比べ高校からプロに入団する選手が圧倒的で多いと思います。(実数は分かりませんが)
そういう意味だとプロを目指す選手にとっての大学の位置づけは高校でプロから声がかからなかった選手のセカンドチャンスの場所だと認識しています。
そのような環境を共にした選手で僕が尊敬する2人の後輩がいます。※もっとも2人には卒業以来会っていませんし、大学時代も特別仲が良かったわけではありません。
1人目 石堂 和人(34歳)
彼は現在、J3の福島ユナイテッドFCでプレーする選手です。彼の大学卒業後のキャリアは地域リーグからスタートします。その後、4つのクラブを渡り歩き、2014年からプロとしてのキャリアをスタート。今シーズンのリーグ戦出場は19試合に留まったものの2014年、2015年とリーグ戦に30試合以上出場しています。
2人目 津田 琢磨(36歳)
彼は現在、J1のヴァンフォーレ甲府に所属(入団当時はJ2)。2007年オフに戦力外通告を受け愛媛FCに移籍するも同年7月にヴァンフォーレ甲府に復帰。以降、J1とJ2を行き来するなかでリーグ戦通算192試合(J1&J2)に出場。特に2015年からの活躍はめざましく、それまでJ1では通算出場が22試合に留まっていましたが、2015年は27試合、2016年は25試合に出場し、チームのJ1残留に貢献しています。
2人に共通して言えるのは、
・決して体格に恵まれたわけではない(共に身長は180cm以下)
・大学も鳴り物入りの入部ではない
・大学時代に大きな実績を上げてプロに入ったわけではない
・プロでの活躍を約束されたスタートではない(地域リーグとJ2からのスタート)
そんな2人が10年以上もサッカーで生活をし、30代半ばでキャリアの絶頂を迎えている理由を考えてみました。
彼らの共通点は大学の当時から【心技体】がとても高いレベルにあったと感じています。
【心】
僕の母校は、「高校の時に全国大会出場は叶わなかったが高い意識でもう一度プロになるためにチャレンジする選手」「10代に圧倒的な実績を上げたが意識の問題で伸びなかった選手」「僕のようなスポーツ推薦ではなく入部している選手」が共存しています。
見かけの能力に圧倒的な差はない場合、そのよいな環境では得てして意識の差ではなく、過去の実績や肩書きが優先される傾向があります。
そんな環境化でも彼らは腐らず、自分を律して努力していたと思います。
【技】
2人とも入部当初から高い技術を持っていました。印象に残っているのは、彼らは練習のひとつひとつのプレーに対して常に集中していました。そういった、練習でも常に試合を想定したプレーの積み重ねが高い技術を生んだのだと思います。
【体】
彼らは特に体のメンテナンスは、かなり気を使っていたと思います。2人とも共通して恵まれた体格ではなかったため、筋トレはよくしていたと記憶していますし、恐らく食事なども配慮していたのではないかと思います。
【心技体】の3つの要素を高いレベルで長期的に維持してきたことが、30代半ばの彼らが現在も活躍し続けられる理由だと思います。
翻って自分を見たときに、、、
自分とプロスポーツ選手を【心技体】の視点で比べてみると、圧倒的に【体】への意識が後回しになっていることに気がつきました。
【体】への意識〜シリコンバレー式の食事法〜
30代半ばを過ぎた途端に、昔のような無理がきかず、日中の集中力が持続しないことや、眠気を感じることが大きな課題であることは、少し前から自覚はしていました。意欲はあるのに体がついてこない状態です。そんななか、デジマの方々のFacebook投稿をみると、かなり体のケア(筋トレ、運動、食事法など)をされている記事が目につきます。
プロサラリーマンとして、体のパフォーマンスが落ちていることを自覚しながらそのままにしておくわけにはいかないということで、11月から【シリコンバレー式の食事法】をスタートします。
この食事法の根本的な考え方はダイエットではなく、「食べ物がもたらす体の変化をハックし、食事法を改善しながら体のパフォーマンスを上げる」というものです。
この食事法は突き詰めればどこまででもできてしまうので、継続性を重視し実施しているのは下記の3点ぐらいです。
・朝食は完全無欠コーヒーのみ(オーガニックコーヒー+グラスフェッド無塩バター+MCTオイル)
・間食は体のパフォーマンスが落ちることを自覚し、よいと思った時だけ食べる(舌の満足感と翌日の体の状態はトレードオフ)
・よく噛んで食べる
・昼は調整可能だったら炭水化物は控えるが、できなければ普通に食べる
・夜は普通に食べる(良質な睡眠をとるためにはむしろ炭水化物は夜とった方がよいとの事)
食事の改善で現れた変化
上記の食事を意識して2ヵ月弱経過していますが、下記のような変化があります。
(定性)
・お腹が空いている状態が当たり前になる
・朝の目覚めがよい(恐らく就寝中に消化に使う労力が減っている)
・睡眠時間が少なくても眠気が少なく集中力が持続する(先週は1日3〜4時間睡眠しか取れませんでしたが意外に平気でした)
・疲れがあまり残らない
・少しの体の変化にも気がつく(お菓子を食べた日の翌日などは特に)
(定量)
・体重が▲6kg(開始20日で一気に5kg落ちましたが、その後は緩やかに推移)
(よくある質問)
・リバウンドしないのか?
⇒そもそもダイエットではない。
・お菓子を食べたくならないのか?
⇒食べたい時は食べてますが「舌の満足感と体の状態はトレードオフ」であることを意識するとあまり食べなくなります。
・昼と夜は普通に食べているのか?
⇒基本、普通に食べていますが、外食でご飯の大盛などはしなくなりました(今はむしろお腹いっぱいの状態の方が辛い)
・炭水化物ダイエットなどもあるが、、、
⇒本書では、夜は炭水化物をとった方が良質な眠りにつけると書いてあるので意識してません(昔、夕飯をご飯ではなく豆腐にしていた時期がありましたが、辛くてとても続けられませんでした)
・よく続きますね?
⇒ いわゆるダイエットのような精神的なストレスはあまり発生しないので、今の所、苦なく続いています。
まとめ
プロとして長く活躍するためには
・【心技体】全ての要素を高いレベルに持っていかなければならない
・1つの要素が高まると他の2つの要素も相乗的に高まる
ということを2人の後輩と高い意識を持つデジタルマーケターの方々に気づかせて頂きました。
出版社さんとの情報交換
WEB戦略の中でどのようなツールを活用し、ユーザーとタッチポイントを増やしていくかを考えるツール戦略とは別で、どのような情報発信をしているかは重要な要素であると考えています。
デベロッパーが行うべき情報発信は、雑誌に近いんではないかと社内で話していると、WEB戦略を一緒に進めているM本ねーさんから衝撃の一言が、、、
※僕のVRを楽しむM本ねーさん
私の同級生が雑誌の副編集長やってるよ!
「まじかーーー!」ってことでお話を聞きに行ってきました。(11月中旬ぐらいの話)
お聞きしたのは20代前半がメイン購読者の女性誌について。
そもそもデベと雑誌の情報発信が近いと思った理由
・両方とも自ら売っていない物の情報を発信する。
デベ:テナントやテナントの商品
雑誌:ブランドやブランドの商品
・ブランドを跨いだ情報発信ができる。
・さらに雑誌は世界観をもった訴求ができているので、デベの情報発信よりも情報のクオリティが高い。
※デベにも編集という考え方や機能が必要なのではないか(仮説)
雑誌の編集体制
・10名体制:編集長1名+副編集長2名+編集7名※雑誌によって結構違う
企画決定の流れ
発売日の約2ヵ月半前から制作スタート!(同時に2、3ヵ月分の制作が動いている)
0日目:【アンケート会】にてターゲットから話を聞く
7日目:【企画会議】で編集が企画を持ち寄る
14日目:1冊分(20本ぐらい)の企画を決定する ※企画の選定は編集長と副編集長
14日目~:企画の担当を発表し具体的な制作に入っていく
⇒つまり発売日の約2ヵ月前には企画の内容がほぼ決定している。
【アンケート会について】
(概要)
・アンケートは毎月、ユーザーに来てもらって実施。
・毎回来てくれる人もいれば、違う人もいる。
・参加者は「読モ」「キャッチ」「巻末のアンケート」「参加者の友達」など
・毎回30~40人ぐらい集め、5人ぐらいのグループで聞いていく。
※仕事の流儀によるとVERYは複数で聞くのではなく1人の人からじっくりで聞くらしい。読者調査の方法は雑誌により異なる。
・集める年齢層は読者層に比べると広め。※30~40人を集めると意図せず広めになるが、その雑誌を好きという共通点はある。
(アンケート会で聞く事)
・昔は事前に質問を作っていたが、今は割とフリーで聞いている。
・発売日付近の興味あるファッションやヘアメイク。また優先順位が高い要素。
・イベント(バレンタインなど)の過ごし方。
・次に挑戦していきたいと思っているファッションなど。
・自分達が思っていることの答え合わせとなる質問。
⇒ユーザーのことを分かっているつもりになることが一番危険!
(先の情報の引き出し方)
・結構しつこく掘り下げて聞く。
・毎月やっているので、
→聞く側のスキルも上がっているので、聞くポイントが分かってくる。
→定点観測できるので気分が変わったタイミングが分かる。
・この子が言うことはすごく真ん中の意見だとか、意見の奥行きが見えてくる。
・去年の1月と今年の1月でも全然、ユーザーの気持ちが違う。
(雑誌のコアユーザーとライトユーザーだとどっちの声が参考になるのか?)
・雑誌のリアルすぎるユーザーだと、知っている情報が中心になり、あまり参考にならない。
・ちょっと早いぐらいの子の話の方が雑誌の企画にはちょうどいい。そういう子達は気分も世の中のトレンドよりも少し早い。
(アンケート会のキーマン)
・アンケート会を毎月やっていると雑誌の方向性を左右するぐらい影響力のある発言をする子が出てくる。
・その子が話していることと、展示会などで打ち出しているトレンドが一致する。
・その子の気分が変わった時にする発言は雑誌の一年の軸になる時もある。
・言葉にならない感覚をその子が言葉にしてくれたりする。
【企画会議】
(概要)
・アンケート会の情報を参考に編集が企画を持ち寄る。
・必ずしもアンケート会に沿った内容だけではない。
・タレントなどもページ以外は編集がライティングも兼ねる。
(編集の人材)
・働いているひとは中途もいるし、アシスタントから入っている人もいる。
・最低限の経験値は必要だが、重要なのはその人のパーソナルな部分。
・ファッションが好きで、アンテナを広く持っていることが重要。
⇒自分の好きもありつつも、広く情報を吸収し受け入れられる。
WEBも上手にやっていると思う雑誌は?
・ハイモード系の雑誌(ELLE、VOGUEなど)は、WEBでもしっかり広告が入っている。
・完全に紙の編集と別部隊でやっているらしい。
雑誌の収入源
・「雑誌収入」「広告収入」。特に「広告収入」が入らないと商売が成立しない。
⇒上記の収入も業界全体で厳しいので「コラボ商品(化粧品、健康食品など)」「WEBメディア」など新たな事業拡大も力を入れている。
表現方法の留意点
・情報が散漫になると、なかなか次のページをめくらなくなるので、ある程度の一貫性や流れは大事。いい気分でみていたのに、全然興味がない情報が次にくると気分がのらない。
成果の共有
・ただページを作っているだけでは、同じ目標に向かえない。
・編集の人にも成果(雑誌の売れ行き、好評だった企画など)を細かく伝える。
・好評だった企画などは巻末アンケートなどを数値化する。
・WEBはリアルタイムで成果を見られるので面白いと思っており、もっと強化したい。
アトレに置き換えた時の学び
・種はあくまでブランドやユーザーであり、雑誌の役割は編集。
⇒デベもそうではないかと思う。そう考えると種を常に収集できる仕組みが重要。
・なによりも消費者の声。(顧客の声を起点に企画を考える)
⇒継続的に聞き続けることが重要。
⇒欲しい物よりも気分の変化が重要。
⇒常にユーザーに寄り添っていることが重要。
(分かっているつもりになることが危険)
・世界観があることが事業拡大の可能性を広げる。
⇒世界観があれば、商品開発やWEB展開もメッセージがユーザーに伝わりやすい。
・情報の置き方やどの順番で伝えるかが重要。
⇒興味があることをいい流れで見れるとユーザーは気持ちよく情報を見れる。
・チームの一体感を生むために数値の共有は重要。
⇒企画や編集がただの作業になってしまう。
イメージ戦略を行うには、販促でなく編集という視点が重要。そして、その種はユーザー(デベでいうとテナントとお客様)であり、発信側の独りよがりにならないようにユーザーと接点を持つ仕組みづくりをする必要があると感じました。
出版社のKPIである発行部数やアンケート結果をSCに置き換えると、KPIは入館者数やPV数になるのだろうか?
次回は、ぜひアンケート会に参加させて頂こうと思っています!
インスタグラムのお勉強
実はアトレ恵比寿店の5階には当社の直営店が出店しています。
【Coutulife(クチューリフ)】
アトレがアパレルセレクトショップの運営に着手 恵比寿に1号店 | Fashionsnap.com
現在、Instagramはやっているものの、なかなか実務側の手が回らないということもあり、Coutulife(クチューリフ)のデジタル施策のサポートをさせてもらう事になりました!(本丸のデジタル施策はなかなか動きが重いため、実務の成果検証ができる貴重な機会!またショップ側のオムニチャネル戦略を経験しておけば、デベ側の向き合い方も新たな切り口が見えてくる気がします)
・CoutulifeのInstagram
よいタイミングでご縁を頂き、STYLERはスムーズに導入でき、これから本格的に運用開始。
とはいえ、受け皿側のボトムアップも当然必要となるので、まずは唯一の既存メディアのInstagramを活性化すべく、宣伝会議様のインスタグラムマーケティング基礎講座を受講してきました。(講座タイトルをあえてInstagramではなく、インスタグラムとしているのはSEO対策かな?と自然と考えるようになってきました 笑)
インスタグラムマーケティング基礎講座 | 教育講座を受ける | 宣伝会議オンライン
有料研修なので、あまり具体的な内容に言及するのはマズイと思いますので、講座内容に限らずネット記事や書籍などで勉強したことも含め、勉強の中で感じたことを中心に記載していこうと思います。※気になった方はぜひ次回の講座を受講されてみてください。
【個人的な気づき・感想】
・事前のインプット量と学びの量は比例する
講座に受講する以前から個人的に気になったり、中心されているインスタアカウントはフォローするようにしていました。それを事前に行っていたことで、講座内容とフォローしていたアカウントの内容が繋がり、講座で紹介された内容以上の学びがあったように感じます。
・統一感➕独自性⇒世界観
公式である以上、トーンを整えないと「これ公式?」ってなるので、複数名で運用する場合はその点の配慮が必須。しかし、統一感だけでは他のアカウントと同質化してしまうので独自性を生めるコンセプトがブランドの世界観を作るのだと思います。
個人的に気になっていたダイソーの公式は企業メッセージの【100円で世界に商品を届け、生活を支え、その国の文化を変える】を想起させる内容だと思います。
・コミュニケーションを取る人(キャンペーンに参加する人)は限定的でも、幅広い層への共感を取れるのはデジタルの圧倒的な強み
講座で紹介されたポカリスエットの「ポカ写」キャンペーンに投稿するのは女子高生が中心ではあるが、閲覧するのは必ずしも女子高生とは限らない。(むしろ閲覧者は男性の方が多いのではないか?)デベロッパーでもキャンペーンのターゲットはどうしても既存の購買者に寄せがちだが、デジタル戦略においては誰とコミュニケーションを取るのが一番価値が上がるのか、イメージ戦略に繋がるのかが重要で、既存顧客もそれを見て楽しめる導線を作っておけばキャンペーン効果の最大化に繋がる。
※そう考えると、各館でたまにやっている小学生の合唱なども参加者は小学生だが、ターゲットは親や祖父母なんだから、発表している写真を親がアプリなどで落とせるたり、LINE経由で親が祖父母にデジタルアルバムを送れるなどしたら、イベントの体験価値もあがるのではないかと思う。
参考:「エルメスのちいさな絵本」キャンペーン
https://www.wwdjapan.com/359300
・思想なき参加型キャンペーンは誰も参加しない
最近、巷で乱立している#(ハッシュタグ)キャンペーンだが、自分自身も参加しようかなと思った時に感じるのが、#キーワードだけではどう投稿すれば分からないし、分からない中で第三者の目に触れるのでスベるのを恐れ、参加に気後れする。その点では前述のポカ写キャンペーンは上手で、キャンペーンガールがお手本写真をあげる事で安心感を醸成している。そしてある程度の施策に勢いがつくと、上級者がひと工夫した写真をあげるので表現の幅は勝手に広がる。
・Instagramはファンの獲得が難しいメディアなので、中長期視点で取り組むことを分けた方がよい
SNSだと、繋がりやお客様との共創などの話が多く、まさにそれはその通りだと思います。が、知名度がまだ少ないブランドがそれをいきなりやるのは困難で、特にInstagramは他のSNSと比べてもいいコンテンツを作ってもなかなか新規の方の目に触れる機会が少ないという印象なので、フォロー数を拡大するフェーズとエンゲージメントを高めるフェーズは分けないと労力対効果を生むのは難しいという印象を感じた。
・タイアップ企画はブランドとの親和性が重要
これも最近、巷でよく流行っているインフルエンサー施策だが、だいたいフォロー数と価格が比例すると思うのだが、個人的にはフォロー数以上にインフルエンサーがUPしている写真がブランドやキャンペーンのイメージに沿うかが重要な気がします。そうでないと、前後の投稿相当のいいね数は獲得できるかもしれないが、そこからブランドへのファン化には繋がらない気がする。
・スマホ画面に最適なレイアウトが重要
特に他の写真を流用する時などは注意が必要!細かくて何て書いてあるか分からないと話にならない。(当社のHPや館内ポスターなどでもありがち)
・一番の失敗はチャレンジしないこと!
ハーゲンダッツ様の事例をお聴きしていて印象的だったのは、あれだけのブランドにも関わらずチャレンジをたくさんしていること。
「ハーゲンダッツ✖️恵方巻き」「イラスト動画」は失敗だったなどの話を淡々とされていて確立されたブランドの中で許されるチャレンジの幅を常に探っている印象を受けた。
・デジタルにおいての成果はグロスの数字だけでは計れない
SNSの中でもInstagramはファン拡大が非常に難しいメディアなので、グロスの成果だけを見ると優先順位が低くなる。そこについてはメディアの特性や利用シーンを想像することが重要で、前述のハーゲンダッツ様などは新商品の認知経路はInstagramが高いらしい。
インスタグラムをさらに楽しむためのハッシュタグの基本&おすすめタグ11選 | ミライFAN [ミライファン]
・やはり人起点の発信!
事例紹介でご登壇されていたパルさんは、ショップスタッフを起点とした情報発信を強化されており、店舗の規模から考えると驚異的なフォロアー数を獲得していました。
パルさんは、スタッフの中でも情報発信性が元々高いスタッフを会社として評価し、オフィシャルブロガーとして認定していたりします。(プレスの方も自ら個人アカウントを運用)
SNSが誕生した当初の炎上リスクを今だに恐れて当たり障り無い情報発信に留まっている会社は消費者に無視をされ続け、人を経由した血の通った情報だけにお客様が反応するのだと痛感しました。もちろんリスク管理は最重要な要素なので、リスクがあるからやらないではなく、リスク管理をするためのガイドラインや人の選定などやるための仕組みづくりが重要であると考えます。
【まとめ】
当社の直営店、Coutulife(クチューリフ)を検索すると以下のような予測検索が出てきます。
こう考えると、店舗の規模に関わらず、お客様は物をデジタルで見たり、ECで書いたいというニーズが高まっていることを痛感します。※ちなみにCoutulifeは現時点で公式HPもなく、ECも行っておりません。
まずはできる所からですが、色々な方のお力をお借りしながら、時代に合った発信を強化していきたいと思います!
はてぶ【ブログ開始10日】
ブログを開始して10日(11/29〜12/8)が立ちましたので、現状の動向を分析。
日別のアクセス推移
12/8に初日以来の100PVを達成。
良品計画さんの記事を夜中の1時ぐらいに上げた事もあり、朝方の初速が良かった。※詳細は「12/8の時間帯別アクセス推移」にて
その前の2つの記事も、日別のPV数はそれほど伸びていないが、記事自体のPV数は悪くない(というか良い)。前の2つの記事は土日に上げたので、閲覧の時間帯や日付が分散した。
また、記事に関連する方をFacebookでタグ付けさせて頂いた投稿はPV数が伸びるので、僕のFacebookのお友達以外が見て頂いていることが多いと推測される。※一応申し上げておきますが、PV数増を狙ってのタグ付けではございません 笑
12/8の時間帯別アクセス推移
記事を投稿した午前1時直後は閲覧数が伸びていない。1日の中で8時台、9時台が伸びるので、通勤時間中にFacebookを確認するという生活シーンが想定される。
お昼の12時台はあまり伸びないのでSNSのチェックよりも職場の方とのコミュニケーションが優先される。これはECなどと傾向が異なりそう。(仮説)
また14時のPVが上昇しているので昼食後の眠くなる時間に、眠気覚まし目的にSNSをチェックする生活シーンが想定される。(仮説)
流入経路
初日の傾向と大きく変わららずモバイル版のFacebookが8割。PC版のFacebook経由が減少しているが、そもそも全て足すと4%足らない。
【今の所の学び】:ビジネスでブログやSNSを活用する時のポイント
・新設のブログやSNSは、既存運用メディア経由の認知経路を作らないと認知してもらうのは難しい。既存のメディアが無いのであれば、ある程度の顧客を獲得するまでは広告出稿は必須。
・記事と関連度の高い方にブログやSNSを紹介してもらうと、親和性の高い良質な新規のユーザーを獲得しやすい。
・メディアの特性やユーザーの生活シーンを考え記事を投稿することが重要。(昼休みだからといってSNSをチェックするとは限らない、平日はある程度生活がパターン化されているので発信の戦略を立てやすいが休日を戦略的に捉えるのは至難の技 など)
はてぶ【良品計画さんとの勉強会】
先日、良品計画さんに勉強会を開催して頂きました。
この場をセッティング頂いたのは良品計画にてアドバイザーとして「MUJI passport」の立ち上げなどマーケティング活動全般を支援され、このたびプリズマティクスの代表に就任された濱野 幸介さん。※プリズマティクスHPより一部引用
我々の知見が足りなさすぎて、良品計画さんのデジタル戦略について聞ききれた感は全くありませんでしたが、自社を見つめ直す貴重な機会を頂きました。
※下記の内容はあくまで個人的な感想や主観を含んだ内容なのでご了承下さい。
冒頭に当社の現状や今後考えている方向性や悩みを共有させて頂きましたが、第一声で当社が直面する課題を見事に言い当てられてしまいました。
アトレは何か?
アトレは何であって、どうありたいか?
デベロッパーであるのは間違いないが、もっと根底にある『志』『ストーリー』『らしさ』が定義されている事が重要であり、定義されていない事(もしくは気づいていない?)が課題であるという事です。
無印良品のブランド力
お話をお伺いしていて、無印良品の強さの根幹は、ブランドが生み出された背景にあると感じました。
無印良品は1980年に西友のPBとして生まれました。「わけあって、安い」をキャッチフレーズとし、安くて良い品として開発された無印良品は、大量生産・大量消費時代のアンチテーゼだったと言います。
(濱野さん補足追加)
その理念に賛同した無印良品ファンが働いている会社が良品計画であり、今でもその理念は脈々と継承されているそうです。
元々の無印良品ファンが、メディアのTPOに合わせて自然と無印良品らしさを考えて情報発信するからこそ全ての情報に共通の理念を感じる。それを自然にできる事が無印良品の大きな強みであると感じます。
無印良品の商品
無印良品のECはほんの一部を除いて、ほぼ100%自社ECで販売されています。
そこには「よい商品+よい環境+よい情報」どのいう考え方があると言います。
例えばiPhoneはアップルでしか作れないかもしれないが、無印良品の商品は作ろうと思えば似たような物は他社でも作れる。しかし、無印良品の商品を買って頂けるのは、「よい商品が」「よい環境に置かれ」「よい情報を届けられる」と無印良品の世界観の中で商品に魔法がかかり、それに共感した人が買ってくれる。確かに無印良品の商品は生活の中でも無印良品のオーラを発しているような気がします。
(濱野さん補足追加)
mujiさんの情報って生活の中でもさりげなく目にして、さりげないけどきちんと印象には残っていると感じます。
長さんの↑のコメントに対してはこれ。
空の器であると。
「無印良品の商品の特徴は簡潔であることです。極めて合理的な生産工程から生まれる製品はとてもシンプルですが、これはスタイルとしてのミニマリズムではありません。それは空の器のようなもの。つまり単純であり空白であるからこそ、あらゆる人々の思いを受け入れられる究極の自在性がそこに生まれるのです。省資源、低価格、シンプル、アノニマス(匿名性)、自然志向など、いただく評価は様々ですが、いずれに偏ることなく、しかしそのすべてに向き合って無印良品は存在していたいと思います。」
無印良品のデジタル戦略
そのような根底の理念があるからこそ、無印良品さんは新しいデジタルツールにはどんどんチャレンジしていっている印象です。
①当社との戦略の違い
当社の戦略と無印良品さんの大きな違いを感じたのは、当社は顧客接点をピラミッド型(未利用者→利用者→ポイントカード入会者→クレジットカード入会者的な)で考えているが、無印良品さんはあまりツールごとの重みづけをしておらず(もちろんMUJI passportはその中でも重要な位置づけである事は間違いないですが)タッチポイントの多様化という戦略を取られている印象がありました。
確かに1人の人が多様なツールを使い分けている事を考えると、様々なツールを駆使して1人のお客様との接点を増やす事こそが重要とな感じました。
②分析の視点
やはり無印良品はリアル店舗が最大の強みであるので、お店が見たい分析の切り口を追求しているように感じました。
またツールごとの状況をきちんとファネルでみて発信した情報の効果をきちんと検証されています。
個人的に感じたのは、リーチ数よりもシェア数が重要であると感じました。例えば、Facebookの公式アカウントのいいね数が100だったとしても、100人の友達がいる人が情報をシェアしたら同じだけの効果になる。さらにそれは事業者からではなく友達からきた情報として届くため、さらに情報の価値が上がるなと感じました。そう考えると情報発信はただのインフォメーションではなく思わず友達と共有したくなるような情報をどれだけ届けられるかが重要であると感じました。
③徹底した顧客視点(人間の論理視点)
こちらについては僕が書くまでもなく、下記記事に詳細に掲載されています。
※というか、この記事を読めば僕が今まで書いたこともほぼほぼ網羅されているかもw
(濱野さん補足追加)
・デジタルマーケティング、をやっている感はないです。あくまで生活者がデジタルツールを使う時間が長くなっているので、それに寄り添ってる感覚です。
・ピラミッド、というより支持・熱狂度合いは意識しています。例えばアプリ利用者<いいね!、コメント記載者<店頭イベント参加者<共創参加者みたいな構図が成立することは認識しています。
・ブランドというより、mujiぽいかとか、こうありたいとか、お客様に対する約束、は意識していると思います。大切にしたい軸があってそれを愚直に積み重ねてきた感じです。まだまだなんでしょうけど。
当社として考えるべきこと
デジタル戦略の設計については、色々な方が成功のポイントやツールでできることを定義されているので、頑張って勉強していけば当社なりに取り組むレベル感や体制は見えてくるような気がします。
むしろ、戦略の差を生む上で重要なのは、情報の中身でありその根底にある理念であると感じます。※今更思ったの!?と言われてしまいそうですが。
今までは駅流動の中で自然とアトレに入って頂き世界観を感じて頂けていましたが、デジタルツールが生活の中に入り込んできている今、どれだけ消費者の生活の中でアトレとしてお客様に役立つ価値を届けられるかが成功の分かれ目の様な気がします。(デジタルに限らず)
良品計画さんには懇親会までお付き合い頂き、ここには書いていない事もたくさんご教授頂きました。
「アトレは何か?」に答えを出すと共に、当社の販促担当が懇親会で良品計画さんに「カンヌライオンズ」を目指すと宣言していたので、ぜひ頑張って頂きたいと思います。